ハウスの中では白い苺の花が一面に咲き、春のような明るさを感じさせてくれる季節になりました。小さな五弁の花の中心には、これから赤く熟れていく“いのちの粒”が静かに育っています。花の咲き具合や色づきは、苗の力や気温の変化を如実に表すもので、毎年この時期は一輪一輪を確かめながら、今後の実りを想像して胸が高鳴ります。
日中の温度差や日照時間を見極め、受粉を助けるミツバチの動きにも目を配りながら、果実がしっかりと形づくるように環境を整えていきます。花の時期を大切に過ごすことが、甘く美しい苺を育てる第一歩です。これから少しずつ実が膨らみ、赤く色づく光景がハウスいっぱいに広がる日も近づいています。長い準備の成果が、ようやく目に見え始める季節です。