一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 過酷な環境に耐えるのはやっぱり新しい車?

今年はいまのところ海外に展示車両を送るイベントが二つあり、本来であれば2つとも現地に行き日本に戻す作業の立ち会いを行なうところですが、今年は他の仕事の関係で現地に行ったのはタイだけでした。

日本に戻ってからのコンテナからのデバンニングと、車両オーナーへの引き渡し作業は、2イベントどちらも立ち会いました。

東南アジアに車両をコンテナに入れて海上輸送すると、片道は約1か月間、車両はコンテナの中に入っていることになります。

コンテナの中に

内部の温度をコントロールしているない通常のドライコンテナの場合、コンテナ内の温度は相当高温になります。正確な数値的な記録は手元にありませんが、車内の両面テープで固定された部品は外れてしまうのは当たり前という感じです。車にとって最適な環境ではないことは想像に難くないところです。

そのため、コンテナから出した車両に多少のトラブルがあることも驚くことではありません。

 

タイの前に行なわれたマレーシア現地でのバニング作業は立ち会っていないので、車両の固定方法等は現地で自分自身で確認していないものの、大問題ありませんでした。

大問題はないと言いつつ、小さいトラブルはつきもので、ある車両のリヤホイール内のブレーキローターとキャリパーに間に布が絡んでしまいました。

車両をコンテナ内で固定するためにラッシングベルトをホイールのスポークに掛ける際、ホイールにキズがつかないように布生地等を使って養生するのですが、ラッシングベルトを外した際にその布を取り除き切れなかったためにその布がブレーキのディスクとキャリパーの間に噛みこむというトラブルが発生。

そのままの状態では、手を伸ばせば届きはするものの布生地を取り除くことができないので、手持ちの工具でジャッキアップしてホイールを外して再トライ。しかし、短い距離ではあるものの布が食い込んだ状態で車両を数メートル動かしたためキャリパーの奥まで生地を巻き込んでしまって、手で強く引っ張っても取り外せず。最終的にはキャリパーまで外してようやく生地の排除に成功しました。

 

マレーシアからの車両返却作業から10日後、タイから戻った車両のデバンニング作業。

まず最初の1台のラッシングを解き、コンテナから車両を自走で出すためにエンジンを掛けようとしたら、バッテリー上がりでエンジンがかからず。

過去にバッテリー上がりのトラブルは何度もあるので、その対策は打っています。
バッテリー端子を外すのは当然として、バッテリーが上がった場合を想定し、ボンネットもしくはトランクはロックが掛からないようストライカー部分に布等を被せ、万が一の場合でも簡単にブースターケーブルを繋げるようにするなどの対策も施しています。

その車両はバッテリー端子にキルスイッチが装着されていたので端子を外して絶縁させることはしていませんでした。しかし、キルスイッチのスイッチ操作が不十分だったようで、結果としてバッテリー電圧が低下し、自力でのエンジン始動が出来なくなってしまっていました。

バッテリー電圧の低下でエンジンが掛けられないというトラブルは、これまで何度も経験しているので、慌てることなく自分の車の鼻先をコンテナに突っ込んでブースターケーブルをつないで電力を供給して問題解決。

もう1台、バッテリー端子を接続して通電はするものの、セキュリティの問題なのか、メーターには警告文が出てセルモーターは回らず。リモコンキーの電池切れを疑い、ステアリングコラムにキーを近づけて変化なし。ネットで調べたところ、キーを近づけるべき場所が違うことが判明。ネット情報にある場所にキーを近づけたら、無事エンジンが始動し一安心。

このような車にとって過酷な環境となるコンテナ輸送では、古い、シンプルな車の方が、多くのセンサーを持ち高いセキュリティレベルを誇る最新式の車よりも、トラブルが出る可能性が低い傾向があります。

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