一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • FCビジネスの歴史と現状

ビジネス・フォーマット型FCで成功した会社としてKFC(ケンタッキーフライドチキン)社を前回紹介しましたが、今回もう1社を紹介させて頂きます。

それはKFC社と肩を並べるファストフードの雄、ハンバーガーのマクドナルド社です。元々同社は、マクドナルド兄弟が開いたレストランが始まりでした。その将来性に着目したのが、マルチミキサーのセールスをしていたレイ・クロックという人物です。彼はマクドナルド兄弟にFC化を勧めますが、兄弟は全くその気がなかったため、1954年にレイ・クロック自らがFCを始めました。そして1961年、当時としては破格の270万ドルという金額で兄弟からマクドナルドの全ての権利を買い取りました。レイ・クロックがマクドナルドに魅力を感じたのは、マクドナルドのやり方ならば、当時は標準化が難しいと考えられていたフードサービスので分野で、コントロール可能なシステムを構築出来ると見込んだからでした。さらに彼は、長期的にフランチャイジーを育成することを考え出します。当時のFCで行われていた経営ノウハウの伝授はごく簡単なものでした。店舗が開業出来るようになると、後のサポートはほとんどせず、次のフランチャイジー獲得に走っていました。しかしレイ・クロックはフランチャイジーに対するトレーニングや経営支援を継続的に行う重要性を認識していました。そこには、個々の店舗ので繁栄がFC全体の成功をもたらすという信念がありました。

伝統的FCビジネスでは、フランチャイジザーの主な収入源は、ブランド商品の売上でした。それに対して、ビジネス・フォーマット型FCでは、商品の売上ではなく、フランチャイジー向けに作られた経営ノウハウやマニュアルが盛り込まれたビジネスフォーマットの使用料が、フランチャイジザーの主な収入源でした。使用料はロイヤリティという形でフランチャイジーからフランチャイザーに支払われました。このシステムの普及によって、商売のやり方やノウハウを持たないフランチャイジーの、フランチャイザーへの依存度が高まっていったともいえるでしょう。つまり十分なノウハウを備えていなくても気軽に商売が始められるようになり、FCビジネスの普及に拍車がかかっていったのです。

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日坂 景志

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