お子さんが急に腕を痛がり、だらんと下げたまま動かさなくなった――。それは、**肘内障(ちゅうないしょう)**かもしれません。
当院にもよく来られる、1歳から5歳くらいのお子さんに多い症状です。
🚨 肘内障とは?なぜ起こるの?
肘内障は、俗に「肘が抜けた」と言われますが、正式には亜脱臼の状態です。
1. 原因: 親が急に子どもの手を強く引っ張った、転んだ際に手をついた、などで、肘の関節にある**橈骨(とうこつ)という骨が、周りの輪状靭帯(りんじょうじんたい)**からわずかにズレてしまうことで起こります。
2. 年齢: 骨や靭帯がまだ発達途中の幼児期に特有の症状です。
🔍 肘内障の主なサイン(症状)
• 突然、片方の腕を動かさなくなる(だらん、と下げたままにする)。
• 腕を動かそうとすると痛がって泣き出す。
• 多くの場合、肘や腕に腫れや目立った変形はない。
• 痛みを和らげようと、反対側の手で手首をそっと支えるような仕草をすることがあります。
✅ 治療(整復)について
肘内障の治療は、**専門家による「整復(元の位置に戻す手技)」**が基本です。
当院のような接骨院や整形外科で、特殊な手技を行うと、多くの場合「コリッ」というクリック音とともに、ズレた関節が元に戻ります。
• 整復が成功すると、その直後から痛みが大幅に軽減し、すぐに腕を動かせるようになることがほとんどです。
⚠️ 保護者の方へ知っておいてほしいこと
整復後も、まれに痛みが続いたり、腕を動かしたがらないことがあります。これにはいくつかの可能性があります。
1. 精神的な要因: 強い痛みを経験した恐怖心から、「動かしたらまた痛くなる」という記憶が残り、本人が無意識に動かさない場合があります。
2. 整復の不完全さ・再脱臼: まれに、整復が不完全であったり、帰宅途中に再びズレてしまう可能性もゼロではありません。
3. 他の損傷の合併: 転倒などが原因の場合、肘内障だけでなく、ごく小さな骨折を伴っているケースも稀にあります。
【当院からのお願い】
整復後も痛みが引かない、腫れが出てきた、全く腕を使おうとしない状態が続く場合は、念のため整形外科を受診し、レントゲン検査などで骨に異常がないかを確認することをおすすめします。
🔑 予防のポイント
一度肘内障になったお子さんは繰り返しやすい傾向があります。
• 子どもの手を強く引っ張って歩くのは避けましょう。
• 手を持って宙に持ち上げたり、ブランコのように振り回したりする遊びは控えてください。
肘内障は成長とともに起こらなくなりますので、ご安心ください。不安な症状がありましたら、いつでも当院にご相談ください。
すがやバランス接骨院