地方で進む建設DX、その現場感
12月は、地方の建設DXが確実に前へ進んでいることを実感させる1ヶ月だった。
月初には、施工会社でICT土工ソフトの導入支援が行われ、点群データを使った現況把握から計画作成まで、現場の“内製化”が着実に進んでいる様子が見られた。外部依存から脱却し、自社でデータを扱う動きは地方でも広がりつつある。
中旬には、不整地運搬車の自律走行を採用した現場の見学会が開催された。これまで大規模工事が中心だった自動化施工が、地方の一般土木工事にも浸透し始めている。参加者からは「自分たちの現場でも活用できる」という声も上がり、技術の裾野が広がっていることを感じさせた。
また、鋼管杭の施工支援システムや3Dプリンター、BIM/CIMなど、新技術に関する相談も増加。来年度に向けて大規模工事が動き出す兆しがあり、施工管理の高度化が求められている。
教育分野でも、講習会の準備やインターン向け課題の作成など、次世代育成に向けた取り組みが進んだ。自治体との意見交換も活発で、ICT施工への理解が行政側にも広がりつつある。
年末らしく交流の機会も多かったが、こうした“人のつながり”が技術導入の後押しになるのも事実だ。
地方の建設DXは、派手ではないが確実に前進している。
その背景には、現場で地道に支援を続ける技術者の存在がある。