一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 怪我と疲労の関係

こんにちは。

今回で6回目の記事になります。

疲れると怪我をしやすいと言われますが、本当でしょうか?

「多少疲れていても動けるから大丈夫」スポーツ現場でも日常生活でも、よく耳にする言葉です。

怪我予防の視点から見ると、この“まだ動ける”という感覚こそが、最も注意すべきサインでもあります。怪我と疲労は、切っても切れない関係にあるからです。

疲労がたまると、まず筋肉の出力と体の反応速度が低下します。これは単純に「力が出ない」というだけでなく、衝撃を吸収する能力が落ちることを意味します。本来であれば筋肉が適切なタイミングで筋力を発揮し、外からの衝撃を受け止めるはずが、うまく動けないために関節や靱帯が代わりに受けてしまう。これが捻挫や関節痛、慢性的な痛みにつながっていきます。

さらに厄介なのが、疲労による動きの質の低下です。疲れてくると最適な動作を身に着けているアスリートでもフォームが崩れ、無意識のうちにその時の楽な動作になってしまいます。ジャンプの着地が雑になったり、切り返し動作で一歩遅れたりするのはその典型例です。本人は「いつも通り動いているつもり」でも、体は確実にブレーキがかかっています。

また、疲労は筋肉だけでなく脳にも影響します。集中力や判断力が低下すると、危険を回避する動きが遅れ、接触や転倒のリスクが高まります。実際、試合終盤や練習の終わり際に怪我が多いのは、体と脳の両方が疲れている状態だからと言われています。

では、疲労はどうやって見極めればよいのでしょうか。近年は血液検査や唾液などの体内の状況を科学的な視点でモニタリングする手法がプロスポーツの世界では発達してきていますが、より簡単に見極める指標としては「動きい変化が起きていないか」確認することです。

フォームが安定しない、バランスを崩しやすい、いつもより呼吸が荒い。こうした変化は、体が発している立派な警告です。また、「寝ても疲れが取れない」「朝から体が重い」といった感覚が続く場合は、回復が追いついていないサインと考えましょう。

怪我予防において重要なのは、「限界まで追い込まないこと」ではありません。疲労をコントロールすることです。強度を下げる日を作る、思い切って休む、睡眠や食事を整える。これらは決してサボりではなく、パフォーマンスを維持するための戦略です。

疲労は目に見えませんが、確実に体に影響を与えます。「まだできる」ではなく、「今日はここまでにしておこう」と判断できること。それこそが、怪我を防ぎ、長く動き続けるための大切な能力なのです。

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岡林 努

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