一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

苺づくりにおいて、厳寒期は一年で最も気を張る時期です。外気温が氷点下まで下がる日も多く、ハウスの中も一瞬の油断で作物に大きな負担をかけてしまいます。暖房機の設定、カーテンの開閉、換気のタイミング。その一つひとつが苺の生育を左右します。

特に難しいのが、温度と湿度の両立です。寒さを防ごうとハウスを閉め切れば湿度が上がり、灰色かび病などのリスクが高まります。反対に、湿度を下げようと換気を強めれば冷たい外気が流れ込み、花や果実が冷害を受けてしまいます。毎朝ハウスに入った瞬間の空気の匂い、葉の張り、花の向きなどを見て、その日の管理方針を決めます。

日照時間が短いこの季節は、光合成量も少なく、苺の生育はゆっくりです。焦って肥料や水を多く与えると、草勢だけが強くなり、味や形に影響が出てしまいます。必要最低限の管理に抑え、苺が寒さに耐えながら力を蓄えるのを見守ります。

こうして厳寒期を丁寧に乗り越えた苺は、春先に甘みと香りをしっかりと蓄えた実を結びます。寒さの中で重ねた日々の細かな判断と苦労が、一粒の美味しさにつながっているのです。

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T.E

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