最近公開されたAdobe公式ブログによれば、Creative Cloudの動画制作ツールが大幅アップデートされ、
特に AIとモーションデザインの強化がかなり本気モードになってきました。
個人的にもざっと読んでみて最初に感じたのは、
ここ数年の進化と比べても “実務に直結する改善”が増えてきたな…ということです。
🎬 Premiere Pro:AIが単なるお助けではなく「作業そのものを変える」
Premiereでは今回のアップデートで AI搭載のオブジェクトマスク が追加され、
複雑に動く被写体でも、「マウスをホバーしてクリックするだけで精密なマスク生成」 が可能になりました。
これ、いわゆる“自動ロトスコープ”の進化版みたいなもので、
従来何十フレームも苦行だった作業が数秒〜数十秒の手順で済むようになっています。
また、従来のシェイプマスクも トラッキング速度が最大20倍 にまで高速化されたとのこと。
待ち時間が減るだけでも、編集の流れに与える影響は大きいです。
加えて、Adobe Fireflyベースのアイデアツール 「Firefly Boards」 から
クリエイティブ資産を直接Premiereへ取り込めるようになったり、
Adobe Stockがタイムライン内で直接検索・ライセンス取得可能になるなど、
制作の入口〜出口までがシームレスになってきてます。
🔁 After Effects:モーションデザインがさらに強力に
After Effectsでも Ver.26.0として大規模アップデート が発表されました。
特に注目なのが以下のようなアップデート群:
・SVGファイルをネイティブの編集可能シェイプレイヤーに変換
・パラメトリックメッシュ(3D形状生成)が直接使える
・バリアブルフォントの軸制御によるモーショントタイポグラフィ強化
・ 1,300以上のSubstance 3Dマテリアルが利用可能
・新オーディオエフェクト追加、Windows ARM対応など幅広い改善
・背景黒/白のキー抜きが簡単になる「アンマルト」エフェクト搭載
要は、デザイン素材の流し込み〜アニメーション付けまでの一連の流れを高速化しつつ、
表現の幅そのものが広がっているということです。
✨ 実務感覚で言うと…何が変わる?
これ、単純な新機能というよりは “表現を実現するまでの壁”が低くなる方向性です。
例えば…
・数秒で被写体を追える無料AIマスク
・Firefly Boardでアイデア→素材化→タイムラインへ
・Stock素材探しの手間が一段減る
・グラフィックから3Dまで、After Effectsで一貫して作れる
・反復作業が減る=ブラッシュアップに時間を回せる
といったように、**「できる」だけじゃなく「快適にできる」**という実務上の効果が目立ちます。
ただしこれらはあくまで ツール側の強化 であって、
完成度や最終表現は結局ユーザーの設計力次第というのは変わりません。
ただし、マシンパワー+AIを手元にしているかどうかの差は短期制作ではかなり効いてきそうです。
🎥 余談 — 映画祭やクリエイター支援の動きも
公式発表では、2026年 サンダンス映画祭の上映作品の85%が
Adobeツールで制作されたという事実も紹介されており、
同社は映像クリエイター支援として 1,000万ドル規模の基金 も設立しているそうです。
これは単なる機能強化というより、クリエイティブ文化への投資という側面も見えてきます。
📌 まとめ
率直な印象としては、今回のアップデートは
✔ 単なるパフォーマンス改善ではなく
✔ AIを“現場作業のシフト”に使わせにきている
✔ 制作の入口〜出口までの流れを意識した強化
…という方向性にシフトしているな、という感じです。
AIに頼るだけで作品が完成する…という未来にはまだ遠いですが、
「使える道具として」AIがちゃんと現場に寄り添い始めた
そんな節目の発表だと思います。