サスカインドという人が面白いことを言っています。
ブラックホールと計算理論の複雑性が関係あるのではないかというものです。
サスカインドは弦理論におけるホログラフィーの概念を初期に言い出した人の一人で、彼の言っていることはなにかしら意味のあることかもしれません。それを盲信してしまうのは単なる信者ですが。
計算理論における複雑性を測る尺度の一つに、それを論理回路で記述したときにどの程度の大きさの回路が必要になるのかというものがあります。この議論はそのまま量子回路にも適用され量子回路の複雑性という問題になります。
この量子回路というのが面白いもので、古典的な論理回路は0と1の情報が流れてくる配線をゲートで結びつけるものですが、量子回路はそれをヒルベルト空間とそれに作用する演算子で表します。そうすると、それは物理屋にとってはおなじみの単なるユニタリ変換が状態にゲートの数だけ作用しているだけになってしまうのです。