「ストレスが多いと甘いものが欲しくなる」「よく眠れないと食欲が乱れる」——こうした体感の裏側には、
脳内物質のひとつであるセロトニン(5-HT)が関わっている可能性があります。
この記事では、セロトニンが食欲にどう関係するのかを、できるだけわかりやすく整理します。
食欲は、「お腹が空いた」というガソリンだけで動いていません。脳には、食べ始めるアクセルだけでなく、
食べ過ぎないためのブレーキ(満腹・満足)もあります。
セロトニンはこのブレーキ側に関わり、状況によっては食欲を落ち着かせる方向に働くと考えられています。
セロトニンの作用は、「セロトニンの量」だけでなく、どの受容体(受け皿)が刺激されるかで変わります。
食欲調整では、特に以下がよく語られます。
このあたりは専門的に聞こえますが、要は「セロトニンは、食べ過ぎを止める神経回路に関わることがある」という理解でOKです。
ストレス・睡眠不足・生活リズムの乱れは、気分だけでなく、食行動にも影響しやすい要素です。
セロトニンは睡眠(メラトニンの前駆体)や気分の安定にも関わるため、間接的に「食べ方」へ影響が出ることがあります。
よく「セロトニンの多くは腸で作られる」と言われますが、ここは誤解が起きやすいポイントです。
腸のセロトニンは主に消化管の運動(ぜん動)などに関わり、脳内のセロトニンとは役割が異なります。
ただし、腸と脳は「腸脳相関」として相互に影響しうるため、腸の状態・食事・生活習慣が、回り回って食欲や気分に影響する可能性はあります。
「疲れるとパンや甘いものが欲しくなる」という話はよく聞きます。
一般論として、炭水化物摂取が一時的に気分を落ち着かせる方向に働くことがあり、
それが“欲しくなる”感覚と結びつくことがあります。
ただし、これはセロトニンだけで単純に説明できるものではなく、ストレス・睡眠・血糖変動・習慣など複数要因の重なりとして捉えるのが安全です。
「増やせば必ず減る」とは言い切れません。セロトニンは受容体や個人差、生活状況によって影響が変わります。
食欲の乱れが続く場合は、睡眠・ストレス・食事のリズムなど、全体を見直すほうが現実的です。
関係が議論されています。SSRIはセロトニン系に作用しますが、体重変化は薬剤の種類・期間・個人差が大きく、
一概に「セロトニン=痩せる/太る」と結論づけるのは危険です。服薬中の体重変化は主治医に相談してください。
セロトニンだけに注目するより、まずは睡眠と食事の時間帯を整えるほうが効果的なことが多いです。
特に「寝不足+不規則」は、食行動を崩しやすい典型パターンです。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療行為の代替ではありません。
食欲の異常、急な体重変化、気分の落ち込み、摂食のコントロール困難が続く場合は、
医師や専門家に相談してください。