一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • セロトニンと食欲の関係

「ストレスが多いと甘いものが欲しくなる」「よく眠れないと食欲が乱れる」——こうした体感の裏側には、
脳内物質のひとつであるセロトニン(5-HT)が関わっている可能性があります。
この記事では、セロトニンが食欲にどう関係するのかを、できるだけわかりやすく整理します。

セロトニンとは?まず押さえるべき前提

  • セロトニンは、気分・睡眠・痛み・消化などに関わるシグナル物質の一つです。
  • 体内のセロトニンは「脳」だけでなく「腸」にも多く存在し、役割が少し異なります。
  • 食欲の話で重要なのは、主に脳のセロトニンが担う「満腹感(食べるのを止める)」方向の調整です。

食欲は「空腹」だけで決まらない:脳のブレーキ役としてのセロトニン

食欲は、「お腹が空いた」というガソリンだけで動いていません。脳には、食べ始めるアクセルだけでなく、
食べ過ぎないためのブレーキ(満腹・満足)もあります。
セロトニンはこのブレーキ側に関わり、状況によっては食欲を落ち着かせる方向に働くと考えられています。

ポイントは受容体:セロトニンが「満腹感」に効く仕組み

セロトニンの作用は、「セロトニンの量」だけでなく、どの受容体(受け皿)が刺激されるかで変わります。
食欲調整では、特に以下がよく語られます。

  • 5-HT2C受容体:満腹シグナルを後押しし、食べる量を抑える方向に働くことが示唆されています。
  • 5-HT1B受容体:食欲を抑える回路に関与するとされ、満腹感に関連する研究が多い領域です。

このあたりは専門的に聞こえますが、要は「セロトニンは、食べ過ぎを止める神経回路に関わることがある」という理解でOKです。

なぜストレスや睡眠不足で「食べたくなる」ことがあるの?

ストレス・睡眠不足・生活リズムの乱れは、気分だけでなく、食行動にも影響しやすい要素です。
セロトニンは睡眠(メラトニンの前駆体)や気分の安定にも関わるため、間接的に「食べ方」へ影響が出ることがあります。

  • ストレス:食欲が落ちる人もいれば、逆に食べたくなる人もいます(個人差が大きい)。
  • 睡眠不足:判断力や衝動性が揺らぎやすく、結果的に間食が増えるパターンもあります。
  • 習慣化:「疲れたら甘いもの」のように、報酬としての食行動が定着することも。

「腸のセロトニン」と食欲は同じ話?

よく「セロトニンの多くは腸で作られる」と言われますが、ここは誤解が起きやすいポイントです。
腸のセロトニンは主に消化管の運動(ぜん動)などに関わり、脳内のセロトニンとは役割が異なります。

ただし、腸と脳は「腸脳相関」として相互に影響しうるため、腸の状態・食事・生活習慣が、回り回って食欲や気分に影響する可能性はあります。

セロトニンと「炭水化物が欲しくなる」の関係

「疲れるとパンや甘いものが欲しくなる」という話はよく聞きます。
一般論として、炭水化物摂取が一時的に気分を落ち着かせる方向に働くことがあり、
それが“欲しくなる”感覚と結びつくことがあります。
ただし、これはセロトニンだけで単純に説明できるものではなく、ストレス・睡眠・血糖変動・習慣など複数要因の重なりとして捉えるのが安全です。

よくある質問(FAQ)

Q1. セロトニンを増やせば食欲は減りますか?

「増やせば必ず減る」とは言い切れません。セロトニンは受容体や個人差、生活状況によって影響が変わります。
食欲の乱れが続く場合は、睡眠・ストレス・食事のリズムなど、全体を見直すほうが現実的です。

Q2. 抗うつ薬(SSRI)と体重増加の話はセロトニンと関係ありますか?

関係が議論されています。SSRIはセロトニン系に作用しますが、体重変化は薬剤の種類・期間・個人差が大きく、
一概に「セロトニン=痩せる/太る」と結論づけるのは危険です。服薬中の体重変化は主治医に相談してください。

Q3. 食欲が暴走するとき、まず何から整えるべき?

セロトニンだけに注目するより、まずは睡眠食事の時間帯を整えるほうが効果的なことが多いです。
特に「寝不足+不規則」は、食行動を崩しやすい典型パターンです。

まとめ:セロトニンは「食べ過ぎを止める回路」に関わりうる

  • セロトニンは、食欲の中でも特に満腹・満足に関わる側面がある。
  • 作用は「量」だけでなく受容体(5-HT2Cなど)を通じて変わる。
  • ストレスや睡眠などの生活要因が、セロトニンを含む複数の仕組みを介して食欲に影響しうる。
  • 腸のセロトニンは主に消化管の働きに関与し、脳のセロトニンとは役割が違う(ただし腸脳相関はある)。

注意事項(大切)

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療行為の代替ではありません。
食欲の異常、急な体重変化、気分の落ち込み、摂食のコントロール困難が続く場合は、
医師や専門家に相談してください。

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