フリーランスとして仕事を続けていると、避けて通れないのが「交渉」です。誰かが代わりにやってくれるわけではなく、得意だと言い切れる人も多くありません。
それでも、自分の尊厳を守るために向き合わなければならない場面は必ずあります。
そして誤解されがちですが、交渉は決して自分ひとりの問題ではありません。
「まあいいか」「立場上、強く言えないし」「自分が我慢すれば…」と飲み込んだ判断は、必ずどこかで別のクリエイターに影響します。市場の基準は、誰かの“我慢”の上に静かに積み上がってしまうからです。
私自身、過去に「まあいいか」と流した条件のツケを、後になって支払うことになった経験があります。あのとき曖昧にした点、見過ごした違和感。それらは時間を置いて、未来の自分への負担となって戻ってきました。
だからこそ今は、面倒でも、怖くても、必要な線は引くようにしています。交渉とは相手と争うことではなく、自分の価値を守るための最低限の行為です。未来のクリエイターのためにも、そして過去の自分のためにも、私たちは時にきちんと闘わなければならないのだと思います。
最近学んだことですが、交渉とは相手を打ち負かすことが正解ではないようです。こちらが正しくても、相手の面子を完全に潰してしまうと、余計な恨みや反発を生むことがあります。
仕事は一度きりで終わるものばかりではなく、関係性が続くことも多いからこそ、相手が「負けた」と感じない着地点を探すことも大切なのだと思います。
少し癪ではありますが、自分を低く見積もってくる相手に対しても、感情的に反応するのではなく、相手が納得できる“逃げ道”を残しながら話を進めることで、結果的にこちらの主張も通りやすくなります。
歩み寄りとは妥協ではなく、長く仕事を続けるための一つの技術なのだと感じています。