一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 国内フリーランスエンジニアの案件単価動向と需要構造の概況

国内フリーランスエンジニアの案件単価動向と需要構造の概況

2023年6月現在、国内のIT人材不足は継続的な課題となっており、民間調査機関やフリーランスエージェントが公表した同月時点の統計データによれば、フリーランスエンジニアの平均募集単価は高水準で推移している。主要な案件検索プラットフォームの集計によると、2023年6月における全職種の平均月額単価は約70万円から80万円の間で分布しており、前年同期比で数パーセントの上昇を記録した。
技術スタック別の単価構成を確認すると、特に「Go言語」や「Rust」といったモダンな言語を用いたバックエンド開発、およびクラウドネイティブな環境構築(AWS/Azure/GCP)を伴う案件の単価上昇が顕著である。2023年6月時点のデータでは、これらの技術スタックを要する案件の平均単価は90万円を超え、上位層では120万円以上の案件も統計上一定数確認されている。一方で、JavaやPHPといった汎用的な言語を用いた業務システム開発案件は、60万円から75万円の範囲に最も厚い層(ボリュームゾーン)を形成しており、安定した需要を維持している。
市場全体の傾向としては、2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、リモートワークと出社を組み合わせた「ハイブリッド型」の案件が微増し始めた時期である。しかし、ITエンジニア職種においては依然として「フルリモート」可の案件が全体の約7割から8割を占めており、場所を問わない働き方が市場の標準仕様として定着している。また、この時期は2023年10月のインボイス制度開始を控えた「適格請求書発行事業者」への登録検討フェーズにあり、システム改修需要の増加も単価を支える一因となった。
これらの統計事実は、2023年6月当時において、フリーランスエンジニアの価値が特定の開発言語への習熟度と、クラウド活用等のモダンな開発手法への適応力に相関して決定されていた実態を客観的に示す指標となっている。

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