一般社団法人 全国個人事業主支援協会

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  • 電子帳簿保存法「宥恕措置」終了に伴う電子取引データ保存の完全義務化要件

電子帳簿保存法「宥恕措置」終了に伴う電子取引データ保存の完全義務化要件

2023年12月現在、電子帳簿保存法(電帳法)に基づく「電子取引データ保存」の義務化に対する宥恕措置が、2023年12月31日をもって終了する。これにより、2024年1月1日以降に授受されるメール添付のPDF請求書やクラウドサービスからダウンロードした領収書等の電子データについては、所得税法および法人税法に基づき、紙に出力して保存する代替措置が原則として認められず、一定の要件を満たした「電子データ」としての保存が全ての事業者に強制されることとなった。
2023年12月時点での国税庁の指針によれば、電子保存において遵守すべき「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つの柱が再定義されている。真実性の確保については、タイムスタンプの付与、または訂正削除履歴が残るシステムの利用、あるいは「訂正削除の防止に関する事務処理規程」の備え付けが必要とされる。可視性の確保については、日付・取引先・金額による検索機能の整備と、速やかなディスプレイ出力が可能な環境構築が求められる。統計的な動向として、民間調査機関が2023年12月に公表したデータでは、中小企業の約7割が何らかのITツール導入や事務フローの改訂を完了、あるいは最終調整段階にあることが示された。
特筆すべき点は、資金繰りやシステム対応が間に合わない事業者向けに、2024年1月以降も「相当の理由」がある場合に限り、猶予措置(新たな猶予規定)が設けられたことである。しかし、これはあくまで恒久的な措置ではなく、当局からの求めに応じデータのダウンロードを可能にしておくことが前提条件となっている。2023年12月当時、企業においては、インボイス制度対応と電帳法対応を統合したデジタル経理基盤の構築が、物理的なリソース配分の最優先事項となった。
これらの法的要件は、2023年12月現在において、日本の商取引における「証憑の電子化」が不可逆的なフェーズに突入し、アナログな紙管理からデジタルデータによる客観的な証跡管理へと、国家規模での移行が完了した実態を示す指標となっている。

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