一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 国内企業のサイバーセキュリティ対策費用と被害損失額の統計

国内企業のサイバーセキュリティ対策費用と被害損失額の統計的概況

IPAによる「2023年度情報セキュリティに対する意識調査」および民間調査機関による2024年上半期のインシデント報告を参照すると、国内企業におけるセキュリティ対策費用は、脅威の高度化に伴い増額傾向にある。2024年11月時点の統計データによれば、国内企業が情報セキュリティ対策にかける年間予算の平均値は、売上高の約0.5%から1.0%の範囲で推移している。特に従業員300名以上の中堅・大企業においては、システム予算全体の10%以上をセキュリティ対策に配分するケースが一般化しており、EDR(エンドポイント検知・対応)やSOC(セキュリティ監視センター)のアウトソーシング費用が固定費として定着している。
一方で、サイバー攻撃を受けた際の被害損失額は甚大な数値を示している。警察庁が2024年に公表した「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢」および関連調査によれば、ランサムウェア被害に遭遇した企業のうち、復旧までに要した費用の総額が「1,000万円以上」と回答した割合は約3割に達している。この費用内訳には、インシデント調査のための専門業者へのアウトソーシング費用(デジタルフォレンジック調査)、バックアップからのシステム再構築費用、および業務停止に伴う逸失利益が含まれる。特に専門業者による初動対応費用だけで数百万円規模の支出を要するケースが統計上も常態化している。
また、被害の直接的な金銭的損失に加え、個人情報漏洩が発生した際の損害賠償やブランド毀損に伴う間接的損失を含めると、実質的な損失額はさらに数倍に膨れ上がる計算となる。
これらの統計事実は、2024年11月現在において、サイバーセキュリティ対策が単なるITコストではなく、事業継続計画(BCP)における不可欠なリスクマネジメント投資となっている実態を客観的に示す指標となっている。

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