国内企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)投資動向の概況(2026年時点調査データ)
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2025年7月に発表した「DX動向2025」およびアイ・ティ・アール(ITR)による「国内IT投資動向調査報告書2026(2025年11月発行)」の統計データを参照すると、日本国内企業のデジタル投資は「業務効率化」から「ビジネスモデル変革」へと投資対象が推移している。
ITRの調査によれば、国内企業における2025年度(2025年4月~2026年3月)のIT予算額について、前年度比で「増額」と回答した企業は47%に達し、過去最高値を更新した。特に、生成AIの急速な普及に伴う基盤構築や、クラウドサービスへの移行に関する予算配分が顕著である。また、IT投資インデックス(予算の増減を指数化したもの)は2025年度に4.10を記録し、2006年度の過去最高値(3.88)を19年ぶりに上回る高水準で推移している。
投資の目的別構成を確認すると、従来の既存システムの維持・保守といった「守りのIT投資」の比率は依然として高いものの、新規ビジネス創出や顧客接点強化を目的とした「攻めのDX投資」の割合が増加傾向にある。IPAの調査では、日本企業の約半数がデジタル化による業務プロセスの改善(第1の壁)を突破しており、現在はデータ活用による競争優位性の確立(第2の壁)に向けた投資フェーズにあることが示されている。
これらの統計事実は、国内企業においてデジタル技術の導入が単なるツール選定に留まらず、経営戦略と密接に関連した資本投下対象となっている市場の実態を客観的に示す指標となっている。