一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 労働安全衛生法に基づく情報機器作業の休息基準に関する概況(2026年時点指針)

厚生労働省が策定した「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に基づき、デスクワークにおける一連の作業時間と休息時間の客観的な基準について記述します。

労働安全衛生法に基づく情報機器作業の休息基準に関する概況(2026年時点指針)

厚生労働省が定める現行のガイドラインでは、PCやタブレット等の情報機器を用いた作業(VDT作業)において、身体的・精神的な疲労を抑制するための明確な時間管理基準が示されている。同指針によれば、作業の最小単位は「一連続作業時間」として定義され、その上限は「60分を超えないこと」とされている。
この一連続作業時間が終了した直後には、原則として「10分から15分」の作業休止時間を設けることが推奨されている。この数値は、連続した注視や固定された姿勢による筋肉の緊張をリセットし、血流の停滞を解消するために必要な時間的閾値として統計的に算出されたものである。また、連続作業の途中においても、1分から2分程度の「小休止」を随時挿入することが、作業効率の維持に寄与することが示されている。
作業休止中においては、単なる安静よりも「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」の実施が推奨される。具体的な推奨値としては、肩甲骨周りの回旋、頸部の低速な屈曲、および手指の伸展が挙げられる。これらは、情報機器作業特有の拘束姿勢によって生じる「静的筋疲労」を緩和するための物理的なアプローチである。
これらの基準は、個人の裁量や主観による判断ではなく、労働安全衛生上のリスクを最小化するために構造化された数値目標である。企業や個人事業主がこれらの時間管理指標を客観的に遵守することは、長期的な作業能力の維持と労働災害の防止に向けた標準的な運用手順と言える。

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