一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

本シリーズでは中国古典の戦略書「兵法三十六計」を全36回に分けてご紹介していきます。
「兵法」と聞くと少し堅いイメージや戦争の話という印象を持つかも知れません。
ただ実際に書かれている内容は人の心理の読み方や状況に応じた立ち回り方など
現代にも通じる“考え方のコツ”が中心です。
ビジネスの現場でも限られた情報の中で判断したり相手の動きを予測したり
自分たちにとって有利な状況をつくることが求められます。
そうした場面で三十六計の考え方はちょっとしたヒントになるはずです。
このシリーズではそれぞれの計略をわかりやすく解説しつつ、
イメージしやすい例も交えながら紹介していきます。
難しく考え過ぎず「こんな考え方もあるのか」と気軽に読んでいただければ嬉しいです。
日々の業務やちょっとした判断の参考として是非お付き合いください。

第一部 勝戦之計 第一計 瞞天過海

「瞞天過海」
「まんてんかかい」と読みます。
「天を瞞いて海を渡る」
「てんをあざむいてうみをわたる」と読みます。

簡単に言うと「灯台下暗し」といったところでしょうか。
普段から見たり聞いたりしているものってあまり疑いませんよね。

たとえば「宝箱の中には宝物が入っている」――
「だからこそ宝箱なんだ」という固定観念があります。
「天を瞞いて海を渡る」というのは、この固定観念をうまく利用する策略です。
物を隠すとき目立たない場所に隠すとかえって見つかりやすかったりします。
でも一見すぐにわかりそうな場所に隠すと逆になかなか見つからないものです。
つまり擬装を使って相手を誘い出し油断したところを突く作戦、というわけです。
わかりやすく例え話をします。

敵と向き合いながら「やるぞ、やってやるぞ」と言いつつ毎日のように飲み会を開きます。
10日ほどすると相手はこう思い始めます。
「また飲み会をやっているんだろう。いいな、毎日飲み会で」
「どうせ酒に浸って油断しているはずだ。今攻めれば楽に勝てるんじゃないか」
そして「よし!あの吞んべえ達を叩きのめしてやろう!」
と、敵は一斉攻撃を仕掛けてきます。

敵は一斉にこちらへ向かってきます。
――でも、これは誘い出すための策略です。
こちらはすでに万全の準備を整え迎撃態勢に入っています。
さらに別動隊も敵が動き出すのと同時に敵陣へ向かっています。

「しまった、気づかれていた。退却だ」
と敵が引こうとすると味方の陣から激しい攻撃が!!
「いつの間にか陣地を取られているぞ!」
敵は挟み撃ちにされて分断・各個撃破されてほぼ全滅してしまいました。

――これが「瞞天過海」です。

こういう策略の妙はなかなか恐ろしいものがあります。

ビジネスでのポイント:
正面から仕掛けるのではなく相手の思い込みや前提を利用することで気づかれずに主導権を握ることができる。

次回は 第一部 勝戦之計 第二計「囲魏救趙」です。

The following two tabs change content below.

Alfine

最新記事 by Alfine (全て見る)

この記事をシェアする

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア