先週は各国の株価が乱高下を繰り返しながら、下値を模索する展開でした。今週も波乱相場が続くのではないかと予想しています。30%を超えるような暴落は可能性としては高くはないと思いますが、一旦リスク資産のボジションは減らすべきだと思います。(もちろん、今回の株価の下落が絶好の押し目である可能性もあるので、投資は自己責任でお願いします。)
さて、今回の波乱相場の中で大きな出来事が起こりました。ゲームストップ株をめぐる個人投資家とヘッジファンドの壮絶な殴り合いです。多くの個人投資家にとってヘッジファンド等の機関投資家はあまり面白くない存在だと思います。
大量の資金量を背景に徹底的な空売りを仕掛け、株価を暴落させる。個人投資家が狼狽売りで大損を出した頃合いを見計らって安値で買い戻す。こんなことを個人投資家がやるとすぐに相場操縦などと警告されるのに、機関投資家はやりたい放題。結果として利益を得るのは機関投資家だけで、個人投資家の大半は損をすることになる。
このように感じている方は本当に多いと思いますが、こうした不満を背景に、掲示板Redditに集まる個人投資家たちが、倒産危機にある大手ゲーム小売店ゲームストップ株の価格を暴騰させ、大量の空売りを行なっていたヘッジファンドに巨大な打撃をもたらすこととなりました。こうした動きを市場操作や証券詐欺の疑いもあるとして、ロビンフッド等一部の証券会社が規制をかけ、一時ゲームストップ株の購入を停止し、売却のみを可能とするといった措置を取りました。ただ、こうした規制に関しては、ロビンフッドが自社とその顧客である機関投資家の利益を守るために、歪んだ規制をかけたのではないかと疑わざるを得ません。
もしもゲームストップ株を購入した掲示板Redditに集まる個人投資家の行動が、市場の不正操作であり許されないものであるとするならば、ヘッジファンドが大量の資金で徹底的に売り崩す行為は何なのでしょうか。どう見ても異常としか思えないような機関投資家の投機は野放しにされ、個人投資家の行動にはすぐに規制が入る。こうした行為に対して、個人投資家だけではなく、多くの政治家や経済学者等からも批判の声が集まっています。今後の動向を注視したいと思います。
ただ、ゲームストップ株についての相談を受けていますが、実際に株式取引を行うことはやめておいた方が良いと思います。ボリュームは大幅に減少しており、またボラテリティも大きいので、大儲けする可能性もありますが、ご自身の財産を一気に吹っ飛ばし、市場からの退場を余儀なくされる可能性もあります。投資はギャンブルではありません。その点を踏まえ、是非慎重に対応していただければと思います。