一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 3回目の緊急事態宣言
とうとう3度目の緊急事態宣言が東京・大阪・京都・兵庫で発令されてしまいました。特に大阪府を中心とする関西圏の感染拡大スピードが顕著となっています。大阪府の病床使用率は90%を超え、重症者用の病床使用率も90%弱となっており、まさに医療崩壊寸前のような状態となっています。急速な感染拡大、また感染者の重症化の要因となっているのが、変異株の急激な感染拡大です。すでに大阪や京都、兵庫についてはすでに変異ウイルスが8割、東京で5割を超えたと言われており、今後さらに東京圏での変異株の増加により、この段階で拡大を防がなければ大きな混乱が起こることは間違いありません。
今回の緊急事態宣言については、3月まで行われていた2回目の緊急事態宣言よりも厳しい内容となっています。主な内容は次の通りです。
(1)不要不急の外出、都道府県間の移動の自粛要請
(2)酒やカラオケを提供する飲食店への休業要請、それ以外の飲食店への時短(午後8時までの)要請
(3)百貨店や大型商業施設への休業要請
(4)スポーツなどの大型イベントへの原則無観客要請
(5)鉄道やバスなど終電繰り上げや減便の要請
(6)学校の部活動などについての制限や自粛要請
(7)集団での飲食などの行動に必要な注意喚起
期間は主にGW中の17日間となっており、短期集中で感染拡大を乗り切ろうというメッセージだと思います。ただ、何故これまでの緊急事態宣言よりも大幅に短い17日間なのか、また17日間で本当に感染拡大を防ぐことができるのかという疑問は存在します。色々な穿った見方もされているようではありますが、何としても17日間で拡大抑制を図る必要があります。
経済に目を向けると、実体経済はすでに断末魔の叫びをあげているような状態です。むしろこれまで厳しい環境の中で、観光や飲食、百貨店、アパレル等コロナの直撃を受ける業種がよくこれだけの倒産・廃業件数で収まっているなというのが率直な感想です。協力金、雇用調整助成金などの支援策や、経営者の必死の努力の賜物なのだと思います。私もいくつもの飲食店等に対してコンサルティングをしていますが、本当に綱渡りのような状態です。金融が少しでも引き締まった瞬間に、多くの企業が連鎖倒産する恐れがあります。
アメリカやイギリスではワクチン接種率がすでに50%程度にまで達しており、巣ごもり消費からリア充消費へなどと言われております。株価もネット関連株が冴えない展開となっているのに対して、コロナで影響を受け続けてきた業種の株価が上昇トレンドとなっています。一方、我が国についてはワクチン接種率は1%程度であり、接種完了までの道筋が全く見えておらず、依然としてリア充消費については低迷しております。そうした中で米国株は史上最高値を更新し、日本株は3万円目前でのボックス相場となっています。万が一、緊急事態宣言が延長、オリンピック開催中止となった場合には、一気に下にブレイクする可能性がある点に注意してください。
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東葛 コンサルティング

投資銀行にてM&Aアドバイザリー業務、PE(プライベート・エクイティ)業務に従事していました。 経済、投資等についてのアドバイスを行っています。

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