一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

先月の29日、米国労働省の長官が次のような主旨の発言をした。

(Uber Eatsに代表される)単発で配達を請け負っている労働者は企業の従業員に分類されるべきであり、業務の委託者は配達員に対し、平均的な従業員と同様の「安定した賃金、病欠、社会保障」を提供すべきである。

 

これにより、企業の経費が増えることへの懸念から、Uber社他の株価が下がるという事態も起きた。私の持株も下がった。

 

この発言は、とてもエポックメイキングであり、この時流が日本へも波及されることを願うばかりだが、日本でもギグワーカーの労働条件問題が国会で議題に挙がったが、時の安倍内閣はスルーしたように記憶している。

個人事業主は廃業しても失業率にカウントされず、政府にとって都合のよい存在であるため、働き方の自由化の下に無視されているという記事を読んだことがある。

また、人件費や労働者への補償が不要で、企業にとって労働力をコストに置き換えられる個人事業主への業務委託という方式に水を差さない政府は、経済界から支持を得られるのかもしれない。

 

でも、なにより、米国は早い。

有事や問題に対するスピード感の違いが、ここまで明白になるとショックさえ受ける。

私がUber社の株を買ったのも、配達業は飲食だけでは終わらない発展性を持っている、例えば、ワクチンの配達など、と考えたからだが、昨日、ホワイトハウスはUber社などと連携し、ワクチン接種へ向かう人の乗車料金を支援すると発表した。

 

これは、配達ではなく、配車サービスの部門だが、このような社会貢献に携われると、末端の仕事であるが故に社会の底辺のような配達・配送員の立場も価値も向上し、士気も高まるように思える。

 

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細谷 一義

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