一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 暗号資産(仮想通貨)の急落と今後

暗号資産(仮想通貨)の価格が、乱高下を続けています。ビットコイン相場は、4月上旬に700万円近い価格をつけてから1ヶ月強で320万円まで暴落してしまいました。55%もの下落となります。特に5月19日には一時、前日比30%もの急落を見せました。元々ボラテリティの大きな資産ではありますが、これほどの急落には流石に多くの方々が狼狽売りをしたのではないかと思います。

急落の引き金となったのは、中国の規制当局が金融機関に対して、暗号資産に関するサービスの提供を禁止するとの通告をしたことが挙げられています。ただ、冷静に考えれば中国では暗号資産の利用を禁じる法律はすでに成立しており、市場にとってはサプライズではなかったはずです。

また、これまで暗号資産に対して積極的な姿勢を示していた米電気自動車(EV)メーカー・テスラのCEOイーロン・マスク氏が、ビットコインを生み出すマイニングの計算作業が膨大な電力消費を伴い、環境負荷が膨大であるとの懸念を示し、ビットコインを同社のEVの代金としても受け入れる方針を撤回しました。今年2月にビットコイン相場を大きく押し上げる要因となったのは、テスラが総額15億ドルのビットコインへの投資を公表し、またビットコインを同社のEVの代金としても受け入れる予定があるとしたことだったため、今回のイーロン・マスクCEOの発言は暗号資産暴落の大きな要因となりました。こうしたイーロン・マスク氏の考え方の変遷は決して理解できないものではありません。大手マイニング業者の多くは電気代の安い国で大規模なマイニング施設を建設し、化石燃料による発電をエネルギー源として毎年莫大な電力を消費し、温室効果ガスの排出を促しています。イーロン・マスク氏がCEOを務めるテスラはガソリンという化石燃料を使う従来型の自動車の存在に疑問符を投げかける企業であり、ESG(Environment Social. Governance)やSDGsといった大きな社会の流れの受け皿となる企業であるため、暗号資産に対する考え方、投資姿勢を変えたのは当然のことなのかもしれません。

さて、こうした大暴落したビットコインをはじめとする暗号資産市場は今後どうなるのでしょうか。短期的には上にも下にも大きく揺れ動く展開が続くことになると思います。暗号資産バブル崩壊かとも言われており、下向きの力が強い反面、各種テクニカル指標的にはボトムを示しており、反発狙いの買いも断続的に続いています。こうした短期的な激しい波にうまく乗ることができれば利益を出すことは可能ですが、決して簡単ではないので、迂闊に手出しをすることはお勧めしません。一方、中期的なトレンドを見ると当面上昇トレンドに復活するのは厳しいような気がします。暗号資産の価値を分析する様々なモデルによると上値余地は十分にあるのかもしれませんが、ボラテリティの大きさを再認識した機関投資家等は資金を金といった資産に振り分けるようになると思いますし、個人投資家も大きな損失を被った方も多く、また恐怖心を植え付けられたこともあり、中々手出ししにくくなってしまいました。投資のポイントは環境が変わった時に、これまでのスタンスに固執することなく、素早く動くことです。それができるかどうかで投資成績は大きく変わります。ひょっとすると再度の急騰もあるかもしれませんが、ここは素早い益出し・損切りがお勧めです。

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東葛 コンサルティング

投資銀行にてM&Aアドバイザリー業務、PE(プライベート・エクイティ)業務に従事していました。 経済、投資等についてのアドバイスを行っています。

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