一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • ブロックチェーンの今後
政府は6月18日の閣議で、新たな経済財政運営の指針と成長戦略を閣議決定しました。また同日公開された成長戦略の計画案には、ブロックチェーンなどのデジタル技術活用を促進する方針が記載されました。具体的には、サプライチェーンの効率化や、本人確認連携などでブロックチェーンなどのデジタル技術を活用する方策を検討するとのことです。またNFTやSTに関連する事業環境の整備も進めていくようです。なお、NFT、STは次の説明は次の通りです。
・NFT:Non-Fungible Token(非代替性トークン)
偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータのこと。暗号資産と同様に、ブロックチェーン上で発行及び取引されます。従来、デジタルデータは容易にコピー・改竄ができるため、現物の宝石や絵画などのような資産価値があるとはみなされませんでした。この状況を変えたのがブロックチェーンです。ブロックチェーン上のデジタルデータは、参加者相互の検証が入ることでコピーや改竄をしにくくし、デジタルデータの資産価値を持たせられるようになりました。ビットコインに数百万円もの価格がつくのはこの仕組みのおかげです。これまでもデジタルデータに電子透かしを入れるなどの方法はありましたが、コピーや改竄を直接防ぐ技術はありませんでした。デジタルデータに唯一無二の価値を持たせることを可能にしたのがNFTなのです。なお、ここでNFTと暗号資産の違いについて説明したいと思います。両者の違いは端的にいうと代替性の有無です。暗号資産はFungible-Token(代替性トークン)であり、資産個別の識別情報を無視することで、他の暗号資産や現金と交換することができるのに対して、NFTは各作品の識別情報も踏まえて資産価値を与え、他の同等作品とは交換できない唯一無二の存在として扱う点で異なるのです。そのため、NFTは同じようなデータでも全く異なるし、その金銭的な価値は相対取引によってのみ決まるケースも多いのです。
・ST:Security Token(セキュリティトークン)
デジタル化した有価証券のことで、ブロックチェーン等の技術を使って発行されます。ここでいうセキュリティとは安全等の意味ではなく、有価証券の意味です。有価証券とは財産的価値のある権利を示した証明書であり、株式や国債、社債などが含まれます。有価証券をトークン化するメリットは、取引にかかる管理コストの低下や取引の即時完了、流動性の向上、投資機会の増加等が挙げられます。
NFTについては、マネックスグループ傘下のコインチェックがNFTを取引できるマーケットプレイスのベータ版の運営を開始する一方で、LINEやGMOインターネットグループ、サイバーエージェントなどがNFT事業への参入を発表しています。またSTの仕組みは既に野村ホールディングスや三菱UFJフィナンシャル等の大手金融機関が研究開発を進めているとのことです。またbitFlyer Holdingsは、子会社のbitFlyerを通じてブロックチェーンを基盤技術とする暗号資産の交換業を手がける一方で、bitFlyer Blockchainが独自のブロックチェーンを開発してきました。また、国内で約8600万人のユーザーを抱えるLINEも、独自のブロックチェーンを活用した新しいサービス開発を進めています。
ブロックチェーン技術は、今後のデジタル社会の基盤となる技術になる可能性が高いと考えています。上記の通り、世界中の様々な企業が参入を表明し、実際に研究開発を進めています。ただ新しい技術の導入、投資というのは決して簡単ではありません。果たしてこの技術がどのように社会を変えていくのか。自分自身の生活やビジネスにどのように役立つのか。果たしてこの新技術が社会に浸透することになるのか。この技術を凌駕する新しい技術が登場してしまうのではないか。現在浸透している技術や制度を変えることは難しいのではないか。日本のように様々な技術や制度が既に整備されている社会において、目まぐるしく移り変わる新技術を導入することは非常に難しいものです。ただ、そうしたハードルのない国や地域(例えばエチオピア等のアフリカ諸国)はリープフロッグ(カエル跳び)を実現し、日本を超えていく可能性もあるのです。日本が二流国家にならないためにも、変化を恐れず新技術の導入に向けて取り組む必要があるのではないでしょうか。そしてそこに新たな投資チャンスが生まれると考えます。
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東葛 コンサルティング

投資銀行にてM&Aアドバイザリー業務、PE(プライベート・エクイティ)業務に従事していました。 経済、投資等についてのアドバイスを行っています。

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