今回レビューするのは岸見 一郎さんと古賀 史健さん執筆の嫌われる勇気です。
誰もが名前くらいは知ってるみたいなものすごい有名著なのでいずれは、
読もうと思っていましたが中々踏み出せずにいました。
速読を覚えて週一冊の読書が安定してから読みたい本をガンガン消化できたのでこちらを読むこともできました。
フロイトやらアドラーやら○○心理学というものをいままでかじったこともなく、
心理学に関しての知見を広めたかったために購読しました。
中身は心理学といえど人生観に携わるような分野で、恋愛心理学で使うようなミラーリング効果とかコールドリーディングみたいな
対人テクニックのようなものではなく、どちらかというと哲学よりでした。
人付き合いに生かすことが目的のひとつでもあったので、予想外の中身でしたが
内容そのものは興味深いものでした。
全体的にとても分かりやすいのですが、とても難しいです…
何言ってんだという感じですが、哲学的分野であり言いたいことは分かるけど
実際にどうすればいいのかとか、どういう心構えを持てばいいのかと、
かみ砕いて自分の中に落とし込むのが非常に難しいです。
美味しい料理を食べて、美味しいことは分かるけどその美味しさを言葉で表現するのができなくて
いいから食ってみろと言いたくなるようなあのもどかしさを感じています(笑)
本書の核である部分は恐らくここだと思っています。
嫌われる勇気、つまりは他のひとの目を気にせずありのままの
自分を受け入れる勇気ということになりますが、
当然のごとく非常に難しい行為となります。
本書の序盤で触れられますが、アドラー心理学において、
悩みとはその全てが人間関係から生ずると言います。
『身長が低い』なんてコンプレックスも他のひとに身長が低いと
馬鹿にされたくないとかやはり周りの目を通して自身の評価を決定していることから
生じている悩みになります。これも人間関係がなければ生じないであろう悩みとも言えます。
承認欲求を捨て去るなんて中々難しいですよね…私は人は誰しも承認欲求を抱えており、
逆を言えば相手を承認する承認欲を持ちさえすれば物事がうまくいくと思っているので
自分の承認欲求は否定し、相手の承認欲求を満たすように立ち回るなんて高度だなと感じます。
本書の締めくくりとして人生のとらえ方が書いてありとても印象的でした。
『ダンスをするように生きる』この言葉が胸に刺さっています。
基本的に誰もが人生は一直線にありすべての物事が何かしらの因果関係を持っているようにつながっていると感じます。
私もそうでした。しかしアドラー心理学では『過去→未来』という視点で考えずすべてがいまこの一瞬という視野を持っています。
つまり過去は過去、今は今で未来は未来である。そこにつながりを持たせているのは我々人間が
因果関係を探して今の行動を決定しているからであり、そこに本来過去と今の絶対的なつながりはないということです。
過去に何があっても今現在の決定権は自由に存在しており、過去に縛られる必要はない。
そして未来に向かって今苦しんだとしても、今頑張ったから絶対に未来が良くなるわけでもない。
いまというこの一瞬を充実させるように生きていかなければいけないから、たとえ大学受験に受かればいい未来が見える
と思って苦しんで勉強するのは違うということです。今という一点を充実させる選択をその都度その都度考えていくわけで、
目標をもって一日一日努力することを楽しむというのがきっと理想なんでしょうね。
どうしても避けたい道もあるでしょうが、いかに手を抜いて楽をして前に進むかということも考えないといけない気がします。
私も生き急いで頑張って頑張って大変だと感じる日々なので、自分を見直す時間を設けて日々を楽しめるように
アップデートしていかないとなと思いました。
ラクダを水辺まで連れていけるが水を飲ませることはできない、度々本書で用いられている言葉です。
どれだけ環境を与えても最終的な決定権は本人にあるということです。
他人の行動を変えることはこれと同じで強制権をこちらが持つことはできない、
何かを変えたければ環境を整えたり選択肢を与えたりする(水辺に連れていく)が、
本人が行動を顧みるか(水を飲むか)は本人次第でそれ以上踏み込むことはできないということです。
子供に宿題をやらせたくても強制的に宿題をやらせたり罰を設けるなどはダメで、
どう子供が『自発的』に行動するか考えないといけないってことですね。
とても難しい問題かと思いますし、中々思い通りにならないでしょうから忍耐力も必要そうですね。
自発的に○○をするように促すっていうのはとても大事なポイントかと思っています。
人間関係場やビジネス面で鍛えていかないといけないスキルになりますね。
全然呑み込めていないですが、たまに読み返したら感じることがその地点地点で違うと思うような
まぁつまりとても考えさせられることの多い本でした。
もう一冊『幸せになる勇気』もあるのでそちらも機会があれば読みたいと思います。
岸見さん、古賀さん執筆いただきありがとうございました。