皆様、体調はいかがですか?
最近困ったことに、今までなら1回や2回の施術で良くなっていた腰痛がなかなか治らなかったり、ずっと治まっていためまいが再発して、それが治まらないといった「なかなか良くならない」「すぐに再発する」というケースが増えてきているのですね。
ご来院いただいて、玄関から待合スペースに移動される時や施術ベッドに座ったり立ったりされる所作をみていると、だいたい皆様の身体の状態が分かるのですが、そういった方々は基礎体力が低下しています。いわゆる「足腰が弱っている」というやつですね。
でもまあこれは想定できたことなんですよね。去年の一回目の緊急事態宣言解除後の時点でご来院の年配の方は、結構その一カ月ちょっとでふくらはぎが細くなっていました。「足腰が弱る」と言いますが、その場合の“足”とはこのふくらはぎと太ももの筋肉のことなんですね。
さらに身体を動かさないと心肺機能が低下します。
実はうちの家族が謎の体調不良で病院に行ったところ「高血圧」と診断されたのですね。しかし何度か詳しい検査をしたのですが、心臓・血管とも特に異常はないそうです。
病院では原因が分からないまま血圧を下げる薬を処方されていますが、私はあきらかに体力の低下が原因だと思うんです。コロナ以降リモートワークになって、ベッドの上でクッションにもたれて仕事をするようになって、立って歩くこともほとんどなくなっていました。寝ていると楽だけど立っていると具合が悪くなるという特徴からも、心筋を始め、血液循環に必要な全身の筋力が落ちているからだと想定できます。
筋力の低下も心肺機能の低下も、おそらく一回目の緊急事態宣言での自粛時点で起こり始めていたと思うのですが、その場ですぐに不調が出るのでなく、1~2年してからようやく明確な症状となって出現する場合っていうのも多いんです。
現代人は慢性的な運動不足といいますが、それでも都市部で公共交通機関を使って移動する人は結構歩きますし、週末に大規模ショッピングセンターや観光地に出かけるとそれなりに動きます。また気の置けない人たちと大きな声で話が盛り上がったり笑ったりするのも、カラオケで熱唱したり、ライブではじけるのも心肺機能を高めます。
コロナ感染拡大を防ぐためにこれらの行動が制限されるのはやむを得ないのは確かですが、1年以上経ってもまだ漫然と続いている現状は良くないですね。年配の方はもちろん、現役世代の方も、若い世代の人たちにも、この運動不足の弊害は蓄積されています。
そういったわけでワクチン接種や密回避などの一般的な感染対策に併せて、今一番大切なのは各個人の基礎体力の強化です。
基礎体力の強化には歩くのが一番。ということで、以前にウォーキングをおすすめし、いくつかのポイントをお教えしました。
しかし、もちろんウォーキングは運動習慣のない方が初めにとりかかるには最適ですが、負荷が少ないという事は逆に言うと運動効率はあまり良くないのです。つまりは結構な時間をかけた割にはそこまで運動効果が上がらないという欠点があります。
高齢の方や身体に不調がある方はまずはウォーキングで十分なのですが、余裕のある方はウォーキングよりもランニングの方がおすすめです。
とはいえ、ランニングはなかなかしんどくて続けられないという方も多いです。かくいう私も走るのは本当に苦手でなかなか続かなくて困っていました。
そんななかで始めた「インターバルトレーニング」というのがなかなか良いのです。
インターバルトレーニングとはダッシュ(全力疾走)とアクティブレスト(ゆっくり走る)を交互に繰り返すランニングの事です。インターバルトレーニングでは通常のランニングに比べ、心臓が全身に送り出す血液量と筋肉にあるエネルギー産生工場であるミトコンドリアを効率的に増強できます。要は心肺機能を効率的に強化できるわけです。
正式なインターバルトレーニングはそれなりにハードなものですが、応用して日常でのウォーキングに組み込むことが可能です。
①距離または時間を決めてある程度負担になるペースでランニングを行ないます。
もちろん走れる人はダッシュでもいいですし、最初は軽いランニングでもかまいません。走れない人はいつもより早めに歩くだけでもかまいません。距離や時間は自分にとってそのペースを保てる範囲で設定するといいでしょう。
②ハイペースで走った時の同程度の時間、スローペースで走ります。
止まって休憩するのでなく走り続けながら身体を休める(アクティブレスト)のがポイントです。ランニングからウォーキングに戻すのでも、速歩きから普通のペースのウォーキングに戻すのでもかまいません。
③この①と②を数回繰り返します。
本当のインターバルトレーニングではこの前後にウォーミングアップとクールダウンのために1キロほどランニングします。ここでは普段のウォーキングやランニングの途中に①②の繰り返しを組み込めばいいでしょう。
最初から無理してやるのでなく、自分の身体と相談しながら少しずつ出来る範囲を拡げていけば良いと思います。
運動強度を自由に変えて、是非試してみてくださいね