一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

7月から9月の三ヶ月間、強烈なハラスメントがある現場に入っていた。

フリーランスエンジニアになってから10社ほど経験しておりハラスメントがある現場はそこそこあったが、今回は飛び抜けてひどい現場だった。
パワハラ/ロジハラが横行していた。

パワハラで例を挙げると、要件がほぼ出ていない状況だったので現在のシステムから想定して仮スケジュールを引いたところ、いつの間にか本スケジュールとしてゴリ押しをされる、という状況だった。
前にも似たようなことがあって現場が疲弊したと聞いており、そのときだけ特別な状況と受け取ってが、この現場の体質であることが分かった。

また、ロジハラとしては、現場リーダーとPMの「こうあるべき」という考え方があり、それにそぐわないと徹底的に詰められるというものだった。
彼らが正とする回答を出すまで、徹底的に問い詰められるのだ。

私の立場としてはチームリーダーを期待されて入っており、ある程度自主性をもって行動しようとしたが。
それが逆に仇となって私自身の自主性を徹底的に削がれ、彼らの正となるものをとにかく察しなければいけなかった。

年単位で一緒にいるならまだしも、2ヶ月ぐらいでそれを求められるのは無理難題だ。

さらに関係部署も感覚が狂っており、担当営業から「設計書に分かりやすく説明を書いておいてください。経営者層への説明資料にもなるので」という信じられない指示があったりもした。
開発用の設計資料を経営者層へのプレゼン資料として兼用しようなんて、正気とは思えない。
この件は疑問がある指示の一環であり、他にも多数似たようなことがあった。

9月の最終週、どうにも耐えられずに「10月末で辞めさせてください」と営業代行会社に強く求めたところ、なんとか通ったという不幸中の幸いの流れとなった。

辞めさせて欲しいと言ったときに決定的なポイントとなったのは、募集方向で書いてあったのは「開発人員チームリーダー」というものだったが、現場で求められたのは徹底的な管理能力と上長に従う優秀な秘書スキルだった。
この件を営業代行会社と現場に指摘したところ私の指摘通りと受け入れられたので、私の認識が正しかったということになるだろう。

募集要項と違うことをさせられる現場はいくつか遭遇したが、今回はさらにパワハラ/ロジハラが強烈な現場に入場してしまったという合わせ技だったため、不幸な状況となってしまった。

最初の2ヶ月は、多少のロジハラはあってもまだ頑張れると感じていた。

ところが、2ヶ月を過ぎたあたりから度を越している発言が散見してきた。
私の対応として駄目だった点は、強烈なパワハラ/ロジハラを感じてから一ヶ月ほど我慢してしまったことだ。
判断は難しいところだが、今回の現場はハラスメントが収まるでもなく酷さが増す一方だった。

一方、私の対応としては良かった点は、

・第三者を立てて話したということ
・辞める期日とそれまでの現場の体制案について具体的な提案をしたこと
・はっきりとした瑕疵を見つけて指摘したこと
・提案後は、パワハラ/ロジハラの当事者達と一切関わらなかったこと

という部分だ。

特に、パワハラ/ロジハラでもうダメだと思った場合は、第三者を立てて当事者達と一切話さないというのはとても重要はポイントだ。
かつ、一刻も早くその場を離脱するという点も重要となる。

私自身はフリーランスという立場で社会的には労働者ほど守られていないので、徹底的に自衛をする必要がある。

今回はしのぎ切ったものの、私自身の環境選びの甘さを感じた。
現場を選ぶ際にもう少し丁寧で念入りにヒアリングと認識合わせをすべきだった。

そのような後悔もありつつも、どんな状況でも自分自身が資本であるということを忘れずに、自分自身を大切に扱っていこうと思う。

The following two tabs change content below.

今成 匡志

IT業界20年、その中でフリーランスSEは10年になる40代エンジニアです。 新卒と35歳のときにリストラに会った氷河期世代でもあります。 個人的に最も興味あるのは、技術メインではなく「仕事が出来て稼げるSEはどのような性質があるか?」という点です。 もちろん技術そのものにも興味がありますし、技術がどのように世の中に使われているか?ということにも興味があります。 上に挙げたような切り口から記事を書いていきたいと思います。

最新記事 by 今成 匡志 (全て見る)

この記事をシェアする

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア