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時短営業解除、それでも夜の街は動かない
2021年11月02日
時短営業解除、それでも夜の街は動かない
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東京都など首都圏4都県と大阪府は25日午前0時、飲食店への営業時間短縮の要請を解除しました。東京、大阪で時短要請が解除されるのはおよそ11ヶ月ぶりとなります。ただし、要請が解除されても、通常営業を全面再開するかどうかは判断が分かれます。総合百貨店のそごう・西武はこれまでレストラン街の営業を午後9時で終了していましたが、10月25日以降は1〜2時間延ばし通常の営業時間に戻すようです。一方、居酒屋大手のワタミは原則として営業を再開するものの、深夜営業は需要を見ながら判断するとのこと。人手不足や客足回復への懸念から、深夜営業を当面見送るお店も多数あるようです。
時短解除により、日本経済(特に飲食店や旅行業)はどのように変化するのか確かめるべく、東京・大阪の夜の街を散策してみました。まずは東京ですが、新宿や渋谷、池袋、上野、銀座など各所を回りましたが、空き店舗は確実に増加しており、人の流れも少々寂しくなっていました。ハロウィンの影響もあり、渋谷などは人でごった返していましたが、そうした特殊な事情を除けばそれほど盛り上がっていませんでした。特に夜の8時以降については、新宿歌舞伎町などもひっそりしており、熱気がなくなった街になっていました。以前の怪しげな雰囲気もなく、地方都市の繁華街的な雰囲気を醸し出していました。色々なお店に入り聞いてみると、それでも以前よりは人が動くようになり、お金も少しずつ動くようになったとのこと。一方、大阪にも行ってみました。東京と大阪は日本経済を知る上で重要なので、大阪視察も欠かせません。大阪については特にミナミと呼ばれるエリアは東京以上に閑散としていました。やはりインバウンドで盛り上がっていたエリアであり、以前はあちこちから中国語や韓国語をはじめとする外国語が聞こえてきた地域であり、インバウンドが消失してしまうと日本人は殆ど歩いていない状況でした。なんだかインバウンドをメインに復活した百貨店のような印象です。時短営業が解除された25日の夜の大阪を歩きましたが、夜8時の段階ですでに深夜3時くらいの大阪の夜になっていました。今後、時短営業が解除されることで飲食店への協力金はなくなります。これまでは時短営業でも1店舗あたり数万円から20万円程度の協力金がありましたが、今後お客さんが中々戻らない中で協力金が打ち切られることになります。飲食店にとってはむしろここからが正念場と言えるかもしれません。また、飲食店については営業を縮小したことで、働く方々をリストラしていました。飲食店については中々人を集めるのが難しく、また教育するのも時間がかかるため、いきなり復活しても大変なのは間違いありません。しかも、新たな従業員を採用しても、また第6波が来て時短営業となると再度リストラせざるを得ず、それも抵抗があるため、一気に盛り上げるのも難しいのでしょう。
また飲食店にとって最も重要なシーズンである年末・年始。今年の忘年会・新年会はどうなるのでしょうか。飲食店にとって復活のチャンスとなるのでしょうか。東京商工リサーチの調査によると、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に関係なく忘年会や新年会を「開催しない」と回答した企業は全体の70.4%にのぼったとのこと。去年12月の段階では94.2%の企業が「開催しない」と回答していたので、23.8%の改善ではありますが、企業の間では感染防止の意識が根付き、足元の感染状況に関係なく一定の人数の集まりを見送る傾向が強いことが明らかとなっています。また今回のコロナを契機にこうした忘年会・新年会というカルチャー自体が一気になくなる可能性もあります。仲の良いメンバー同士の忘年会や新年会はやるけれど、部署や会社での忘年会・新年会はやらないという団体は増えると思います。若い方々を中心にそうした変化を歓迎する声も多いので、納得の流れです。飲食店(特にアルコール提供のある飲食店)は年末・年始・年度末・年度始めを中心に大幅な黒字、キャッシュを確保し、それ以外のシーズンではそうした黒字・キャッシュを吐き出すようなビジネスモデルとなっています。年末・年始の人の行動に大きな変化が発生すると、これまでのビジネスモデルが崩れる可能性もあります。
旅行業についてはどうでしょうか。今後、国や各地方自治体はGOTOキャンペーンをはじめとする観光促進政策を取ることになります。私も是非活用してみたいところですが、不確定要素は大きい気がします。リベンジ消費が期待されていますが、どこまで持続するのかが見越せません。引き続き、私も足を使って各地を回って状況を見たいと思います。
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投資銀行にてM&Aアドバイザリー業務、PE(プライベート・エクイティ)業務に従事していました。 経済、投資等についてのアドバイスを行っています。
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