一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 今注目のメタバースについて説明します。
【メタバーストとは】
メタバースとは、インターネット上に作られた3Dの仮想空間で、「メタ(超)」と「ユニバース(宇宙)」を合わせた造語です。10月28日にはFacebookがメタバースを想起させる「Meta」という社名に変更するなど、注目度が高まっています。特にメタバースで注目すべき点は、仮想空間でもコミュニケーションや経済活動が現実世界と同じように行えるようになることです。これまでゲームや映画でしか体験できなかった世界が、メタバースの発展よってより身近な存在になり得るのです。
【これまでのバーチャル空間とはどう違うのか】
これまでもゲーム機などでバーチャル空間を活用したものは存在しましたが、メタバースはいくつか異なる点があります。それは、(1)3次元のシミュレーション空間を持つ、(2)自己投射性のためのアバターが存在する、(3)複数アバターが同一の3次元空間を共有することができる、(4)空間内にオブジェクト(アイテム)を創造することができる、という点です。つまり、これまでのゲームは自分がストーリーの中心でしたが、メタバースではいつでも誰でも同じバーチャル世界を共有して動かせる点が大きなポイントとなるのです。
【「フォートナイト」はメタバースの好事例】
フォートナイトはご存知でしょうか。そうです、世界的な人気を集めているオンラインゲームです。フォートナイトはアバターを通して多数のユーザーが同じ仮想空間で交流できるため、メタバースの側面を持っているのです。2020年には米津玄師さんがフォートナイト内でバーチャルライブを実施したこともありました。
【なぜメタバースが注目されているのか】
現在、メタバースが注目されている理由として、次の3点が挙げられます。(1)コミュニケーション手段のデジタル化、(2)VR技術の進歩、(3)NFTバブルの影響の3点です。まずは(1)コミュニケーション手段のデジタル化ですが、コロナ禍の影響もあり急速にコミュニケーションのデジタル化が進みました。Web会議システムも今や当然のツールとなっています。今後さらにデジタル化が進み、バーチャル空間でも現実に近いイベント等を開催する手段として、メタバースが利用される可能性が高まっています。今年12月には、サンリオはバーチャル音楽ライブ等のメタバースイベントを初開催するとのことです。次に(2)VR技術の進歩です。VRゴーグル技術も進化しており、より自然なコミュニケーションツールとして使えるようになりました。VRコンテンツも次々と新しいものが世に出てきています。最後に(3)NFTバブルの影響ですが、以前記事でも書かせていただきましたがブロックチェーン技術の進化によりNFTが大きく注目されています。このNFTとメタバースを組み合わせることで、NFTアートと呼ばれる高額なデジタルアートなども安全な取引が可能となっています。今後はメタバースにおいて、さらに大規模な経済活動が行われていくことが期待されています。
【メタバースにより私たちの暮らしはどう変わるのか】
メタバースがより普及していくことで、私たちの生活も大きく変わります。オンライン上で、通常は味わうことのできないような体験をこれまで以上に容易に、そして安価に得ることが可能となります。非常に夢が広がるとともに、その将来性を見越して今から投資対象として見ておくのも悪くはないと思います。
【関連銘柄】
それではどういった銘柄がメタバース関連銘柄になるのでしょうか。まずは国内企業ですが、グリー(3632)、ソニーグループ(6758)が筆頭銘柄だと思います。ソーシャルゲームプラットフォーム「GREE」で有名なグリーは、2021年8月にメタバースへの本格参入を発表しました。子会社である「REALITY」がメタバース事業の中核を担っていく予定で、メタバース関連のエンジニアを200人以上採用、合計100億円の投資に踏み切るとのことです。REALITYでは既にスマートフォン向けバーチャルライブ配信アプリを提供しており、メタバース事業にも迅速に対応できると考えられます。一方、ソニーグループはPlayStation VRなどVR機器の開発を行なっており、「フォートナイト」で知られるEpic Gamesにも多額の出資をしています。ゲームや音楽などメタバースト相性の良い分野に強い企業であるため、今後も動向に注視していく価値があると思います。今後の動向に注目してみてください。
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東葛 コンサルティング

投資銀行にてM&Aアドバイザリー業務、PE(プライベート・エクイティ)業務に従事していました。 経済、投資等についてのアドバイスを行っています。

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