一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

こんにちは、永田です。

今回は昨年から定着し始めた在宅勤務について、現状と合わせて今起きている課題について投稿したいと思います。

私の所属するプロジェクトでは、在宅で作業が成立するチームやメンバーに限り、基本毎日出社せずに在宅にて作業をしています。社会人になって28年になりますが、自分なりに仕事のやり方やうまく作業を進める方法を確立しています。その前提が集まって会議をしたり、対面で会話をすることで認識齟齬をなくしたり、自分の中でのもやもやをなくすことでした。しかし、在宅勤務となり関連する方と話す機会がめっきり減ったことにより、これまでのやり方が通用しなくなってしまい、良くも悪くも仕事のやり方を見直す転換期がきていると思います。

メンバーで集まる会議は、web会議が当たり前になってきているため、ZOOMやTeamsなどを使うことも日常になっています。会議以外にも個別相談したいという場合はweb会議やLINE通話を利用して、通信料を気にせずに会話をする環境が整っています。これだけを見ると、今までと同じように話し合ったりすることで差がないように思われがちですが、まだ自分の中ではしっくりきていない感じがします。どのようなことがしっくりきていないか、いくつか挙げていたいと思います。

① web会議は主に事前に打ち合わせを設定した場合だけになることが多く、個別の開催はあまりない。

定例の会議は曜日と時間、出席するメンバーを決めてweb会議にて実施ています。回数などの頻度はこれまでと変わらないのですが、しっくりこないのは「顔を映さない」のが常識になりつつあることです。今まで表情を見て理解しているんだ、とか、あまり納得いっていないんだな、何か意見を言いたいのかな、というのを拾って気持ちの部分の齟齬もないようにやっていたのだとあらためて思いました。また、対面での会議の場合、人数が多いと隣どおしでこそこそ話して確認することも見受けられましたが、それも認識齟齬をなくす行為だったのかと思うと、web会議ではできない(実際はチャットを使ってできるのですが、そこは面倒に思ってしまってやっていない)のも一つの理由だと思います。その他、会議室行くまでの道すがら会議の内容を確認する、会議が終わった後に話をしたい人の席に行ってもう1度確認する、ような場面もよくありましたが、web会議を終了してしまうと、わざわざ連絡を取って話をすることも面倒になって再確認などを行わないようになっています。

これにより、メンバー間で認識齟齬が出てきており、これがどれくらいかと言われると見えているところは氷山の一角ではないかと疑念が生じしてしまいます。こちらは信用して、きっと分かってくれていると思うのですが、文書でのやり取りが主になってくると、齟齬の部分がだんだんと見えてきます。それがどの時から生じているのかが分からないので、解決する手段もよく分からないという状態になっています。

② 作業の分担を個別に明確にし、期間や完了条件を都度示さなければならない。

現在チームのリーダーを担っていますが、与えられたチームの作業をメンバーに振り出し、目標を達成するのが今までより難しくなっています。仕事によってはあいまいな状態で依頼されることも多く、まずそのあいまいさをなくすことから始めるわけですが、やり方としては必要なメンバーで集まり、何度か議論を重ねることであいまいさをなくして、具体的な作業に落とし込むことを行ってきました。今であればそれをweb会議でやればいい、となるわけですが、上記①の通り、決まった日時でおこなうのであればよいですが、思い立った時に行うにはあまり使いづらい、というのが現状です。会社に出社しているときは、話したい人を背中越しに見て「今話しても大丈夫そうだな」というのを確認して、必要なメンバーに声がけを行い急遽相談する、ということをやっていたと思います。

そうなると、目標を達成するためにメンバーに作業をしてもらうためには「明確な作業内容」「明確なスケジュール」「明確な完了条件」を提示する必要があります。この”明確な”を提示するまでの作業が非常に大変なわけで、作業するメンバーにとっては経験のある人であれば、同じ工数で作業を完了させることができてしまうことも多くあります。では、明確にする作業からメンバーに振り出していけばよいのでは、となるのですが、気持ちの疎通ができていないとなかなか納得してやってもらえない、という状況です。これまではというと、そこを埋めるべく会社帰りに飲みに行って、本音を話して気持ちを理解してもらっていたのだと思います。在宅勤務となり、それもできなくなってしまったので、別の方法でこれを解決しなければならないのです。

以上のことより、在宅勤務を行っている中での課題は「認識齟齬」と「気持ちの疎通」をどうやって解消していくのか、になります。会社に行けば解決できていたと思われますが、これからの働き方を考えると、在宅勤務でもそれを解決する術を持っていないと生き残れないのではないか、と考えます。ある方がおっしゃっていましたが、コロナ感染が広まり、在宅勤務が多くなったことで、会社でしていた『雑談』が減ったりなくなったことで問題だと感じており、これがどういった影響を与えるのだろうか、というのを耳にしました。これについては同意見で特に何も気にせずやっていた『雑談』がどれほど重要だったのか、会社にいるときはサボっているようにも見えていた『雑談』の大切さを今初めて気づいたように思います。在宅勤務をしながらの『雑談』、これが解決のキーワードになるものと思います。

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永田 裕之

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