最近、テレビで年収1000万を超える職人を紹介していた。
塩職人のやり方が目に留まった。
その職人は1年間塩職人として修業を積んだあと、世界一の塩職人の大会に出場してトップになった。
だが、彼は一位の肩書を断ったのだ。
理由は、一位を断った職人ということが口コミで広がり、その塩がほしい人は彼に直接コンタクトをとり買い付けるだろうという目論見があったからだそうだ。
その職人は宣伝するのは二流、一流は宣伝しなくても売れるという考え方だ。
このように、一つ目のポイントは簡単に手に入らないということを逆手に取った営業戦略だ。
二つ目のポイントはオーダーメイドの塩をつくるということ。
高い塩を求める顧客は、お店の味にこだわりのある高級店ばかりだ。
その店の職にあったオリジナルの塩をつくることで、この塩でなければならないという付加価値をつけるという戦略である。
最後のポイントは、店に売るのではなく人に売るということ。
これは、いくらオーダーがあっても、気に入った人にしか売らないということ。
本当にほしいという姿勢の人は、買ってやるといった高圧的な態度にはならない。
この人になら卸してもよいと判断した場合にしか売らないということで、プレミア感を演出している。
人間、特別といったフレーズに弱いので、このような三つのポイントを戦略に取り入れることで、塩職人として成功したという話である。
このように独自のポリシーをもって、他社と差別化を図るやり方は、他の業界でも通用する。
ありきたりのものでは、価格競争に巻き込まれ淘汰されるが、唯一無二のオリジナリティーを追求すること、マーケティングでターゲットを絞るということが如何に大切な戦略かということが勉強になる番組であった。