一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • インフレ時代がやってきます。
これまで長い間デフレが続いた日本。デフレを脱却するために日銀による異次元の量的緩和をはじめ様々な手法を駆使してきましたが、それでもデフレから脱却することができませんでした。しかし、そんな日本にもとうとうインフレの時代がやって来ようとしています。ガソリン代や食品などが次々と値上がりしており、「今までと違う」と感じている方も多いかと思います。これはまさにデフレからインフレに転換するサインです。ただこうした現象は日本だけでなく、世界各国で発生しています。コロナ禍による景気悪化を防ぐために、世界各国の中央銀行がマネーを大量に発行しました。その成果によりコロナ禍による大不況という事態は防ぐことができたのですが、コロナが落ち着き経済が動き始めた途端、様々な物への需要や労働需要が急回復し、この結果一気にインフレが進んでしまったと考えられています。そこに資源や食糧の供給源であるロシアとウクライナの紛争が重なり、世界的なインフレに拍車がかかりそうな状況となっています。
日本人は約20年間、値段が上がらないデフレの世界で生活し続けており、物の価格が上がる、値段が上がるという事態には全く慣れていません。すでに世界での原油や穀物などの価格高騰で、電気代や食品の価格が上がり始めています。しかし、それでも消費者物価指数の上昇率(前年同月比)は1%未満に抑えられています。一方、企業同士の取引価格である企業物価指数を見ると上昇率は昨年11月から8〜9%で推移しています。この差は減量や人件費の上昇を企業が負担している状況です。しかし、世界の原材料価格が下落に転じない限り、遅かれ早かれ消費者に価格転嫁(つまり値上げ)せざるを得ない状況となっています。これまでであれば、日本企業は人件費の削減をはじめコストカットで耐え凌いできたのですが、すでに労働力不足気味で賃下げやリストラは限界に近い状況です。乾いた雑巾を絞り続けているような状況なのです。このような物価上昇局面では節約のような防衛策を実行するのと同時に、インフレに強い資産への投資をする必要があります。
まずはインフレに弱い資産と強い資産を分別して、インフレに弱い資産は整理する必要があります。インフレに弱い資産というのが(1)現金・預貯金、(2)保険(長期型)、(3)年金・国民年金基金、(4)国債・社債(固定金利型)であり、インフレに強い資産というのが(1)株式、(2)不動産、(3)外国の資産、(4)金や原油などのコモディティです。このようにインフレに弱い資産と強い資産に分別し、取捨選択していきます。
インフレに強い資産として挙げさせていただいた資産について順番に説明したいと思います。まずは株式。特にお勧めが米国株でしょう。現在、米国株は調整局面に入る可能性が指摘されており、短期的には不安定な動きが続くと思いますが、やはりGAFAMを筆頭に圧倒的な競争力を誇る米国企業はインフレや金利高など関係なくまずます強大化し、日本企業との差は拡大していくのではないかと考えられます。中長期的には米国株に積立投資をし続けていくことがお勧めです。また外貨建て預金も重要な投資手法です。日本経済の弱体化・円の価値低下に備えるには、為替リスクをとってでも外貨にしておくことがお勧めです。最後に金や原油、暗号資産などへの投資です。これらの資産はインフレに強い価値保存のための資産であるため、少額でも購入しておくべきだと思います。
多くの方が抱えている住宅ローンについても注意が必要です。変動金利で住宅ローンを組んでいる方も多いと思います。大半の銀行の変動金利のローンは、金利が上昇しても毎月返済額が5年間変わらず、6年後も25%以上増えない激変緩和ルールがあります。これはその時点での痛みを和らげることになりますが、結局は単なる返済の先送りに過ぎません。利息を増やしているだけなので、返済総額が少なくなるような借り換えの検討をすることをお勧めします。
いずれにせよ、とうとうインフレ時代がやってくる可能性は高くなっています。柔軟に対応できるようにしてください。
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東葛 コンサルティング

投資銀行にてM&Aアドバイザリー業務、PE(プライベート・エクイティ)業務に従事していました。 経済、投資等についてのアドバイスを行っています。

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