先日、娘の小学校の予定表に「避難訓練」の文字があった。
その日帰宅した娘に「今日の避難訓練は火事バージョン?地震バージョン?どっちやった?」と聞くと「両方違う。不審者バージョン」との返答。
…不審者バージョン!
時代なのだろう。私が小学生の頃は火事か地震かの2択だった。「給食室から出火しました」と放送があれば、給食室を避けるルートで校庭に出る。火事ならハンカチを口に当てて背を低く。
地震なら机の下で丸くなり、揺れが落ち着いてから校庭へ。
授業がなくなる嬉しさに加えた非日常感。避難とは言いつつ、どこかみな浮足だった様子であちこちからキャッキャとはしゃいだ声が上がる。先生に「静かに!」と叱られながら上靴のままゾロゾロと校庭に出る。「訓練」で済んだからこその思い出の1つである。
まさか不審者バージョンができたとは。
確かに不審者が侵入し、小学生が無差別に殺傷されるという悲惨な事件はなかなか無くならない。
子どもたちからすれば、なんで学校に危ない物を持った人が来るのか?何をしに来るのか?なぜ何もしていない小さな子を傷つけるのか?
わからないことだらけだろう。
理屈が通じる相手では無いことが多く、予測不可能な行動をとる凶器を持った相手に、自分の身を守れというのも実際はなかなか難しい。
日頃の訓練があるからこそ咄嗟の時に体が動く。
訓練の成果が発揮されるのは望ましいが、限りなくその「もしもの時」が無いことを願う。