一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 住宅ローン、どうしますか?

日銀の実質利上げの影響により住宅ローンの金利についても様々な動きが出てきました。変動金利型にするべきか、固定金利型にするべきか。多くの方から相談を受けます。今回は、超低金利の時代が終焉を迎える可能性がある中で、住宅ローンをどうするべきか、基本的な説明をしたいと思います。

 

1)低金利はもう終わり、今後住宅ローンの金利は上がるか?

固定金利の元になる長期金利は市場で決まるのですが、ここ数年は日銀が市場に介入して0.25%以上に金利が上昇しないように抑えてきました。しかし、日本だけが超低金利を続けたことで円安が進み、また物価高騰も国民生活に影響を及ぼし始めたため、日銀が0.5%まで許容するとの発表を出しました。これが2022年末の実質利上げです。

一方の変動金利の元になる政策金利については変更されず、2016年に導入したマイナス金利を継続しています。各銀行で変動金利を上昇させる気配もありませんでした。

実際、実質利上げ後に発表された大手行の固定金利は軒並み上昇したのに対し、変動金利は金利に敏感となった顧客を獲得するチャンスとみた数行が引き下げる対照的な動きとなっています。変動金利が上昇に転じるには、日銀の政策金利の上昇が必要ですが、この点では日銀が利上げの条件としている賃金の上昇はまだ始まっていませんが、物価が上昇に転じるなど、転換点が近づいているように感じます。勿論、正確な時点は誰にもわかりませんが。

当面、注目すべきポイントは、4月のマイナス金利を導入した日銀の黒田総裁の任期満了となります。方針が異なる新総裁が就任すれば、マイナス金利解除も視野に入ります。その場合には、変動金利も多少の上昇は十分ありえることだと思います。

 

2)変動金利の人は固定金利に借り換えるべきか?

多くの方が利用している元利金等型は、返済初期ほど利息の割合が高く、金利が低いと元本の返済が早く進むので、将来利上げがありそうだと思っても急いで金利の高い固定金利へ借り換えるのは得策ではありません。また、すでに固定金利は2%弱まで上がっており、変動金利との差が拡大しています。必要性が低いのに、高い固定金利に借り換えるのは少々勿体無いです。

ただし、金利上昇リスクについては常に注視するべきです。まずは金利が上昇しても毎月の返済額アップに耐えられるか、あるいは返済額軽減型の繰上げ返済で毎月の返済額が増えないようにできるかを考えてください。1つの目安として、毎月の返済額が25万円増えても大丈夫か、600万円程度の繰上げ返済が可能か、といった判断基準を持っていただければと思います。このようなリスクを許容できるのであれば、当面は変動金利のままでも大丈夫でしょう。

また変動金利についても激変緩和措置が適用されます。変動型といっても金利が変動するのは原則年に2回です。しかも返済額が激変しないように「5年ルール」と呼ばれる経過措置があります。これは金利が変動しても家計への負担を考慮して、返済額を当初5年間は増加させない措置のことです。さらにその5年間の終了後は、125%ルールが適用されます。これは6年目からの返済額は増額されたとしても、前回の返済額の125%(25%増)が上限」というルールです。ただ、誤解してはいけないのは、これはあくまで激変緩和措置なので、利払が免除されたわけではない点に注意してください。

 

3)繰上げ返済はどんどんするべきか?

市場最低レベルの低金利の現在、長期間借りることができるメリットは非常に大きいです。35年ローンであれば35年かけて返済すればいいと考えるべきです。それよりも優先するべきなのは、手元資金の充実です。

 

4)これから借りる方はどうするべきか?

基本的な考え方はすでに借りている方と同じです。金利上昇のタイミングは誰にも分かりませんし、どの程度上昇するかも分かりません。しかし10年単位で見た場合、今後は金利上昇リスクを想定する必要はあります。そのため、金利上昇リスクに耐えられないのであれば、すでに上昇が始まってしまっているとはいえ、歴史的には低水準にある固定金利にするべきでしょう。

The following two tabs change content below.

東葛 コンサルティング

投資銀行にてM&Aアドバイザリー業務、PE(プライベート・エクイティ)業務に従事していました。 経済、投資等についてのアドバイスを行っています。

最新記事 by 東葛 コンサルティング (全て見る)

この記事をシェアする

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア