一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「IIS(Internet Information Services)」について

■IIS(Internet Information Services)とは?
IIS(Internet Information Services)とは、Microsoft社が提供するWindows用のWebサーバーソフトのこと。
無料で利用でき、Windowsにインストールすることで使用できる。
Webサーバーソフトは、クライアントの要求に対し、必要なデータの表示や処理などを行うもの。
Webサーバーソフトには以下で紹介するようにさまざまな種類があり、なかでもIISは抜群の操作性や、
Windows製品との親和性の高さを誇る。

 

■Webサーバーソフトとは?種類について
そもそもWebサーバーソフトとは、Webサーバーを構成するソフトウェアのことで、利用者の要求に応じて
必要なデータ通信を行うプログラム。
代表的なWebサーバーソフトには、IISを含めて以下のような種類。

・IIS
・Apache
・NGINX

いずれも無料で使用できるもの。
それぞれ用途や利用できる言語、操作方法、難易度などが異なる。

<IIS>
Microsoft社が提供するWindows用のWebサーバーソフト。
利用できる言語はASPやNETなどで、信頼性が高いといった特徴がある。
また、マウスで視覚的に操作できるのもポイント。
難易度が高くなく、誰にでも使いやすいWebサーバーソフト。

<Apache(アパッチ)>
Linux用のWebサーバーソフト。
利用できる代表的な言語はPHPで、コマンド入力で操作する。
世界中で幅広く使用されており、レンタルサーバーのプランにあらかじめ組み込まれている場合が多い。
難易度としてはやや難しいが利用者が多く、Linux以外にもWindowsや複数のサーバーOS上で利用できる。

<NGINX(エンジンエックス)>
Linux用のWebサーバーソフト。
利用できる代表的な言語はApacheと同様にPHPで、最近ではApacheよりも高いシェアを誇っている。
処理性能の高さがポイントで、並行処理を行いながらメモリの消費も抑制できるのが特徴。
高速処理を実現しながら、Webサーバーにかかる負担を軽減できるため、近年需要を高めている。

 

■IISのメリットについて
ほかのWebサーバーソフトと比較して、IISには以下のようなメリットがある。

・操作がしやすい
・セキュリティ設定がわかりやすく、安心して使える
・拡張機能が充実している

特に操作性が高く、セキュリティの設定がわかりやすいため、誰にでも使いやすい点がIISの魅力。
また、日本語の公式マニュアルが充実している。

<操作がしやすい>
IISは、多くの方が使い慣れているWindowsのOS上で利用できるため、操作しやすいWebサーバーソフトといえる。
Windows OSやSQL ServerといったMicrosoft製品と親和性が高いのもポイント。

また、ApacheやNGINXは、命令文を入力して操作するCUI(キャラクタ・ユーザ・インターフェース)
であるため、コマンドを覚える必要がある。
一方、IISはグラフィックを多用した情報表示が特徴のGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)
であり、直感的な操作が可能。
コマンドを覚える必要がなく、マウスで視覚的に操作できるため、操作性の高さが大きなメリットである。

<安心のセキュリティ設定>
IISは、セキュリティの設定がわかりやすいため、安心して使用できる。
Webサーバーサービスを使ううえでは、アクセス制御やIIS認証、SSLやログ採取の設定などを
行わなければならない。
さらにサーバー証明書のインストールも必要で、これらの設定がわかりやすいのがメリット。
また、日本語の公式マニュアルが多いため、英語が得意ではない方でも使えるし、サポート体制が
充実しているのも魅力である。

<拡張機能が充実>
IISは、拡張機能や開発環境が充実している。
Windows系の開発環境と親和性が高いため、ASP.NETや.Net Frameworkなどと併用することで、
機能の拡張が可能。

これらの拡張機能はデフォルトでは無効に設定されている。
管理者権限を持つユーザーが明示的に許可することではじめて使用できるため、システムの
安全性が高いのもメリット。

 

■IISの機能について

IISには多くの機能が統合されており、Linux用のWebサーバーソフトと比較して対応範囲が
広いのが特徴。
IISの機能には、大きく以下の3つがある。

・Webサーバーの基本機能
・FTPサーバーの機能
・動的Webページ生成機能

特に、IISならではの機能として、ASP.NETによって動的Webページの生成や高機能なWebアプリ
の開発が可能。

<Webサーバーの基本機能>
Webサーバーの基本機能とは、クライアントからの要求に対応し、Webサーバーに保存された
HTMLや画像データなどを送信すること。
クライアントがサーバーに送る要求のことを「リクエスト」、サーバーが
クライアントの要求に応じて情報を送り返すことを「レスポンス」と呼ぶ。
また、セキュリティや監視といった機能もWebサーバーの基本機能に含まれる。

<FTPサーバーの機能>
FTPとは、「ファイル転送プロトコル」とも呼ばれ、Webサーバーとのファイルの送受信を実現
するプロトコルのこと。
FTPサーバーは、FTPを用いてデータの送受信を行うコンピューターのことで、接続により
サーバーからデータをダウンロードしたり、コンピューターからサーバーにデータをアップロード
できたりする。

IISには、FTPサーバーとしての機能を組み込むことも可能。
そのため、Windows用のFTPサーバーソフトを別途インストールする必要がない。

<動的Webページ生成機能>
IISならではの機能として、ASP.NETを使用できる点が挙げられる。
ASP.NETとは、Microsoft社が提供しているWebアプリケーション開発の枠組みのこと。
同じくMicrosoft社が提供するVisual Studioと併用することで、HTMLやHTTPなどの知識が
そこまでなくても、簡単に動的なWebページや高機能なアプリケーションを生成できる。
IISを設定すれば、ASP.NETで作成したファイルを簡単に表示できるようになる。

 

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久米 大輔

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