一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • インボイス制度の登録期限緩和と免税事業者の意識調査統計
インボイス制度の登録期限緩和と免税事業者の意識調査統計
2023年3月現在、同年10月から施行される「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の開始を半後に控え、政府は制度への移行を円滑化するための事務負担軽減策を公表した。特筆すべきは、当初2023年3月31日までとされていた「適格請求書発行事業者」の登録申請期限の柔軟な運用である。2023年3月の閣議決定等により、同年9月30日までの申請であれば、制度開始日である10月1日付での登録を可能とする事実上の期限緩和措置が確定した。
国税庁が2023年3月までに公表した登録申請件数の推移を確認すると、法人による登録率は約9割に達している一方、個人事業主の登録率は約4割にとどまっていることが統計上示された。同時期に民間調査機関(一般社団法人フリーランス協会等)が実施したアンケート調査によれば、免税事業者のうち「登録済み」または「登録予定」と回答した割合は約50.2%であり、残りの約半数が「検討中」または「登録しない」という選択肢を維持していた時期である。
登録を躊躇する主因としては、2023年3月時点の試算において、免税事業者が課税事業者に転換することによる消費税負担の発生(売上高の約2〜10%程度)が、収益性に与える物理的な影響が挙げられる。これに対し、政府は激変緩和措置として納税額を売上税額の2割に抑える「2割特例」の導入を決定し、2023年3月以降、税理士会等を通じた具体的な計算シミュレーションの周知がピークを迎えた。
これらの統計事実および政策動向は、2023年3月当時において、個人事業主が「税制上の恩恵(免税)」と「取引上の適格性(インボイス)」を客観的に比較・評価し、自身のビジネスモデルを再定義すべき重要な意思決定フェーズにあった実態を示す指標となっている。

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