一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「viコマンド」について

viコマンドとは、Linuxを含むUnixベースのOSで利用できるテキストエディタ。
Linuxにはプリインストールされているため、スタンダードなエディタとなっている。

■viコマンドの基本動作
viは、Linuxの標準のエディタを起動するコマンド。
基本的な書式は次のようになる。
$ vi ファイル名

ファイル名で指定しているファイルが存在していれば、そのファイルを開く。

workディレクトリのconfig.phpという名前のファイルをviで開く場合は、次のとおり。
$ vi work/config.php

はじめは、編集することができないコマンドモードで始まる。
この状態では、カーソルキーを動かして閲覧ができる。

 

■viエディタの基本的な使い方
viエディタは入力モードに移るためのキーと、
切り取りやコピーをするコマンドモードのキーがある。

<入力モードのキー一覧>

iキー
現在のカーソル位置に文字を挿入する

Rキー
現在のカーソル位置から文字を上書きする

Aキー
現在のカーソル行の最後に文字を追加する

Oキー(大文字)
現在のカーソル行の前の行に行を挿入する

oキー(小文字)
現在のカーソル行の次の行に行を挿入する

<コマンドモードのキー一覧>
xキー
1文字削除

yyキー
1行コピーしクリップボードへ格納する

ddキー
1行切り取りしクリップボードへ格納する、または1行削除

pキー
クリップボードの内容をカーソル行の下の行に貼り付ける

:qキー
ファイルを閉じる。変更があった場合はメッセージが表示され、閉じることができない

:q!キー
ファイルを閉じる。変更があった場合は変更を破棄する

:wキー
ファイルを保存する。viは終了しない

:wqキー
ファイルを保存しviを終了する

 

〇入力モードとは
文字を入力する場合は、入力モードに移るキーを入力する。

入力モードに移るキーは次の5つである。

・iキー:現在のカーソル位置に文字を挿入する
現在のカーソル位置に文字を挿入する場合は「i」キーを入力する。

そうすると、現在のカーソル位置に文字を挿入する編集モードになる。

任意の文字を入力する。

入力完了したら、ESCキーを押し、コマンドモードに戻る。

 

・Rキー:現在のカーソル位置から文字を上書きする
現在のカーソル位置から文字を上書きする場合は「R」(大文字)キーを入力する。

任意の文字へカーソルを合わせてR(大文字)キーを押すと現在のカーソル位置から文字を上書きする編集モードになる。

任意の文字を入力する。

入力完了(上書き)したら、ESCキーを押し、コマンドモードに戻る。

 

・Aキー:現在のカーソル行の最後に文字を追加する
現在のカーソル行の最後に文字を追加する場合は「A」(大文字)キーを入力する。

どこでも構わないのでカーソルをあわせて、A(大文字)キーを押すと行の最後にカーソルが移動し編集モードになる。

任意の文字を入力する。

入力完了したら、ESCキーを押し、コマンドモードに戻る。

 

・Oキー(大文字):現在のカーソル行の前の行に行を挿入する
現在のカーソル行の前の行に行を挿入する場合は「O」キーを入力する。

どこでも構わないのでカーソルをあわせてO(大文字)キーを押す。

今の行の上の行に1行挿入される。

入力完了したら、ESCキーを押し、コマンドモードに戻る。

 

・oキー(小文字):現在のカーソル行の次の行に行を挿入する
現在のカーソル行の次の行に行を挿入する場合は「o」キーを入力する。

どこでも構わないのでカーソルをあわせてoキー(小文字)を押す。

今の行の下の行に1行挿入される。

入力完了したら、ESCキーを押し、コマンドモードに戻る。

 

■入力モードの注意点
入力モードは、ESCキーを押すことで、コマンドモードに戻る。
入力したらESCキーを押すことを忘れないように意識する。
上下左右へのカーソルの移動、delete、BackSpaceなどの文字をしようとすると、想定外の文字が入力される。
これらのことは入力モードではできない。
間違えて入力した場合は、そのままコマンドモードに移行し、コマンドモードで削除などの操作を行う。

 

■コマンドモードとは
コマンドモードでできることはたくさんある。
今回は、使用頻度の高い文字列の編集とviを閉じる操作を紹介する。

・xキー:1文字削除
1文字を削除する時は「x」キーを入力する。

・yyキー:1行コピーしクリップボードへ格納する
1行をコピーしクリップボードへ格納する時は「yy」と入力する。
クリップボードの文字を貼り付ける時は、貼り付け先の前の行にカーソルをあわせて「p」キーを入力する。

・ddキー:1行切り取りクリップボードへ格納する
1行を切り取り、クリップボードへ格納する時は「dd」と入力する。
クリップボードの文字を貼り付ける時は、貼り付け先の前の行にカーソルをあわせて「p」キーを入力する

・:qキー:viを閉じる
viを閉じる時は「:q」と入力する。
変更がある場合は、警告が表示され、終了できない。

・:q!キー:ファイルを破棄してviを閉じる
ファイルを破棄してviを閉じる時は「:q!」と入力する。
保存されずにviが閉じられ、コマンドプロンプトの画面に戻る。

・:wキー:viは終了しないでファイルを保存する
ファイルを保存する時は「:w」と入力する。
保存されるだけで、viは閉じない。

・:wqキー:ファイルを保存しviを終了する
ファイルを保存しviを閉じる時は「:wq」と入力する。
保存されてviが閉じられ、コマンドプロンプトの画面に戻る。

 

■viでファイルを新規作成する
viで新規ファイルを新規作成する時は、作成したいファイル名を指定するだけでよい。

$ vi ファイル名

ファイル名で指定しているファイルが存在していなければ、ファイルが新規作成される。
ディレクトリも存在していないのであれば、作成する。
ファイルを保存する動作をするまでは、実際にファイル、ディレクトリが作成されない。

workディレクトリにnewfile.phpという名前のファイルをviで新規作成する場合は、次のとおりだ。

$ vi work/newfile.php

 

■閲覧・確認
ファイルの内容を変更するのではなく、閲覧、確認するだけなら次のコマンドを使用する。

・cat
ファイルの内容を表示する。

・more
ファイルの内容を1画面毎に表示する。Enterキーで次の行を順次表示する。

・less
ファイルの内容を表示する。上下カーソルキーでスクロールができる。

 

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久米 大輔

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