一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「マーケティング」について

■マーケティングとは
企業活動において商品やサービスが自然と売れるような仕組みを構築すること。
市場調査や商品開発、営業、宣伝、販売、販促に至るまで全てのプロセスが含まれる。

 

■マーケティングにおける重要ポイント
マーケティングを実際に行なう際には、以下を考えていくこと。

1.誰に
2.どのような価値を
3.どのように提供するか

 

■マーケティングの主な種類
マーケティングの主な種類としては、以下が挙げらる。

〇 マスマーケティング
〇 ダイレクトマーケティング
〇 インバウンドマーケティング

<マスマーケティング>
マスマーケティングは、顧客をセグメンテーションせずに、老若男女不特定多数に
向けて行うマーケティング。
マスは英語で「mass」と表記され、「大衆の」「庶民の」「全体の」といった意味。

主な広告手段としては、テレビやラジオの他、新聞、雑誌といった媒体が挙げられる。
費用が高額になりがちですが、幅広い顧客層にリーチできるため、住宅関連や車、
生活必需品など年齢層や性別を問わない商品やサービスの宣伝に向いている。

<ダイレクトマーケティング>
ダイレクトマーケティングは、マスマーケティングのように企業が顧客に対して
一方的に行うマーケティングではなく、顧客のニーズに合わせた双方向の
マーケティングを行っていく。

企業が顧客とコミュニケーションを取ることにより、顧客のレスポンスを踏まえた
マーケティングが可能。
こういった、顧客に寄り添うマーケティングを展開することで顧客の信頼感が得られ、
CS(顧客満足度)の高いマーケティングへとつなげられる。

<インバウンドマーケティング>
インバウンドマーケティングは、顧客に自社を見つけてもらうことにより成立する
マーケティング手法。
自社側からの無理な営業や派手な宣伝は行わず、マスマーケティングとは反対の
手法とも言える。

インバウンドマーケティングの大きな特徴としては、顧客側から自社や自社商品に
興味を抱いて歩み寄ってくることが挙げられる。
すでに自社や自社商品について調べ上げていることも多く、問い合わせをしてくる
段階で購買意欲が非常に高い可能性もある。

こういった「ホットリード(今すぐ客)」をいきなり獲得できる可能性が高い
マーケティング手法が、インバウンドマーケティング。

 

■マーケティング活動の基本プロセス
全てのマーケティング活動は、以下の基本プロセスに沿って進行させていく。

1.市場調査
2.戦略設計
3.広告宣伝
4.効果検証

<市場調査>
マーケティング活動は、まず市場調査(マーケティングリサーチ)から始まる。
顧客が求めているものは何か、市場に需要はあるのか、市場規模はどのくらいか、
など徹底的に市場調査を行う。

このフェーズを疎かにすると、顧客が求めていなかったり、市場に需要がなかったりする、
いわゆる「売れない商品」を長期に渡って試行錯誤していくことになる。

このような失敗する要因やリスクを予め排除するべく、商品開発に着手する前に、
まずは市場調査を念入りに行う必要がある。

<戦略設計>
市場調査により、自社を取り巻くマクロ環境及びミクロ環境の市場データをある程度
収集できた段階で、それらを基に自社がこれから行うべきマーケティングの戦略設計を行っていく。

自社で開発を行う商品はどのようなものか、その商品をどのくらいの価格で、
どういった形で顧客へ提供するか、といった細かい戦略を立案していく。

<広告宣伝>
戦略がまとまり形になってきたら、次に「広告宣伝」がある。

商品やサービスは顧客に認知されて初めて売れる。ビジネスにおいて、商品やサービスが
売れない要因の一つに「顧客の認知不足」によるものである場合が往々にしてある。

せっかくいい商品を世に送り出したとしても、顧客に認知されなければ売れないように、
広告宣伝を行わなければ顧客による認知不足で売れない可能性が高くなる。

出稿する広告の媒体や、宣伝方法は商品やサービスによって最適なものが異なるので、
常によりよい広告宣伝方法を模索する必要がある。

<効果検証>
商品やサービスは売りっぱなしにせず、期間を決めて定期的に効果検証を行う必要がある。

ある一定期間において、売れ行きが好調だったのであれば「なぜ好調だったのか」を検証し、
逆に売れ行きが伸び悩んでしまったのであれば「なぜ売れなかったのか」を検証していく。

結果を追求し、さらに改善していくための最適なフレームワークとしてPDCAサイクルがある。
効果検証においてはPDCAサイクルを回し、プラスの要因及びマイナスの要因を把握すること
により、さらなる業績改善へとつなげることができる。

 

■代表的なマーケティングフレームワーク

〇 3C分析
〇 4P分析
〇 PEST分析
〇 SWOT分析
〇 STP分析

<3C分析>
3C分析は、自社を取り巻く競合や市場環境、そして現在の自社の立ち位置などから、
今後自社が取るべき手段を模索できるマーケティングフレームワーク。
「Customer:市場・顧客」「Competitor:競合」「Company:自社」の3つの
要素の頭文字を取り、3C分析と呼ばれている。

3C分析では、
最初に自社が勝負をかけようとする市場及びその市場の顧客動向を把握。
このフェーズにおいて、自社がどのような商品やサービスで勝負するのか、
進むべき方向性を決定する。

次に、決定した市場における競合の存在を確認。
競合となる企業の強みや弱み、業界における立ち位置などを確認し、商品や
サービスの情報を収集していく。

最後に、収集した情報を基に競合他社と自社とを比較し、自社にできることや
競合他社より優位性があることなどを再確認しながら、マーケティング戦略を
立案していく。

<4P分析>
4P分析は、商品やサービスの販売戦略を立案する際、企業側の目線から最適な戦略を
模索できるマーケティングフレームワーク。
「Product:商品・サービス」「Price:価格」「Promotion:販促」「Place:流通」
の4つの項目の頭文字を取り、4P分析と呼ばれている。

大切なのは、これら4項目の整合性が取れたマーケティング戦略を立案すること。
4Pのうち、どれか1項目でも偏りがある場合、それが良い要素であるか悪い要素で
あるかに関わらず、上手く機能させることができない。

4項目の整合性が取れて、初めてマーケティング戦略として成り立たせることができる。

<PEST分析>
PEST分析は、自社でコントロールすることができない「マクロ環境」の分析を行う際に
適したマーケティングフレームワーク。
「Politics:政治」「Economy:経済」「Society:社会」「Technology:技術」の
4要因の頭文字を取り、PEST分析と呼ばれている。

ビジネスはもとよりマーケティングを行う際には、一見自社と関係なさそうに思える
「マクロ環境要因(外部環境要因)」を常に考慮する必要がある。
政治や経済、社会など情勢の変化や市場における技術面での進捗状況、流行り廃りと
いった時代背景は、少なからず自社ビジネスに影響を与える。

それらの要因がプラスであってもマイナスであっても、上手くマーケティング戦略に
取り入れることで、リスクヘッジされた中長期戦略の構築が可能になる。

<SWOT分析>
SWOT分析は、自社でコントロールすることができない「マクロ環境(外部環境)」と
自社でコントロールすることができる「ミクロ環境(内部環境)」を4つの要因から
分析していくマーケティングフレームワーク。

その4つの要因が「強み:Strength」「弱み:Weakness」「機会:Opportunity」
「脅威:Threat」となり、市場における自社の立ち位置や、競合を含めた
自社商品の強み、弱みなどについて把握する際に適している。

マクロ環境(外部環境)とミクロ環境(内部環境)は密接に関係しているため、
両方の要因を総合的に勘案したマーケティング戦略の構築が求められる。

<STP分析>
STP分析は自社が市場開拓を狙う際に適したマーケティングフレームワーク。
「Segmentation:セグメンテーション」「Targeting:ターゲティング」
「Positioning:ポジショニング」の3つのフェーズから、自社が狙う市場の
分析を行っていく。

セグメンテーションにより市場の細分化を行い、ターゲティングで狙う市場の決定、
そしてポジショニングで自社の市場における立ち位置を明確化させる。
こうすることで、中長期的にマーケティング戦略を展開する際に、途中で
方向性を失ったり、安易に路線変更したりすることを防げる。

 

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久米 大輔

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