こんにちは。
今回は衣類の黄変について記事を書きます。
衣類の黄変にもいつくか原因がありますが、今回は2つご紹介します。
①酸化防止剤による黄変
本来は樹脂の酸化による黄変などの化学変化を防止するための添加剤である酸化防止剤が、汚染ガスなどと反応して、接触する繊維製品に黄変物質を生成するという事故です。特に安価で性能が高いフェノール系酸化防止剤のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)が、原因になっているとされています。BHTは、繊維加工剤、包装フィルム、段ボール、クローゼットの合板などの各種接着剤、ポリウレタンやプラスチック製品などに含まれています。
黄変事故は、昇華したBHTと排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)とが化学反応を起こし、レモンイエローの物質を生成して繊維素材に付着することによって発生します。付着の程度が軽い場合、日光などの紫外線によって分解消失したり、洗浄によって除去できることもあります。また、この物質はアルカリ性で、賛成の塩酸蒸気などによって色が消えます。固着が進行している場合、完全に除去することは困難です。
②バニリンによる黄変
BHTによる黄変と、ほぼ同様の原理で黄変物質を生成するものにバニリンがあります。バニリンは木材に含まれるリグニンが分解して生成した天然のフェノール類で、ベニヤ板、段ボール等に含まれます。クローゼットに使われる合板や木材パルプでできている段ボールなどからバニリンが昇華して繊維製品に付着し、大気中の酸化窒素ガスと反応して黄変物質が生成されることになります。特にナイロン製品に発生しやすとされています。
今シーズンそでを通していないからとクリーニングせずにクローゼットにしまったままの衣類も、黄変防止のためには洗っておいたほうが良いかもしれません。