高山での医療1に続き、今回は高山病について。
高い山に行くと、「空気が薄い」と思ったことがある人が多いのではないか。 標高にもよるが、過去に私がいた標高2700mの山では、平地の3分の2の酸素量。 ゆえに、歩いたり走ったりするとすぐに呼吸が苦しくなったり、高度順応なしにいきなり高いところに上がってきてしまうと、頭痛や吐き気を催したりと、症状が出る人が多い。 そのような時は、薬は飲んで早く横になるのが良い、というのは誤っていて、胸に酸素をたくさん取り入れるために、横にならずに、「口すぼめ呼吸」を繰り返すのを推奨している。 口すぼめ呼吸により、たくさん息を吐くことで、より多くの酸素を吸う。 血中酸素の数値も、口すぼめ呼吸をしていると徐々に100%に近づいてくる。 また、山に登ると、どうしてもお酒を飲みたくなることもあるが、平地よりも気圧が低く、お酒がまわりやすかったり、 低酸素がゆえに、アルコール代謝が悪くなり、酔いが覚めづらいこともあるので、お酒はほどほどに、山を楽しめると良い。 限られた人材と人数での山岳医療、いてくれる安心感に甘えずに、本当に必要な人が貴重な医療を受けられるように、 一人一人が周りへ配慮することが高山に行く時、私たちが心掛けるべきマナーであると思う。