一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • エンジニアとして参画していたスタートアップでの開発案件を離任

9月末にて、5年間お世話になったスタートアップの開発案件から離任しました。
離任の理由は、形としては自己都合ですが、ほぼ先方都合によるものです。業績的に開発エンジニアを抱える余裕がなくなったためです。(おそらくこのまま放置すると資金ショートする可能性があると思われる)

5年間仕事をさせて頂いたことには大変感謝しています。
この会社の仕事をしたからこそ、経験できたことも沢山あり、個人的なスキルもだいぶアップしたと思います。

ただ、残念だったのは、多くの人に使ってもらえるサービスを1つも作れなかったこと。
3つのサービスを作りましたが、1つはリリース前に頓挫し、残り2つはリリースはしたものの、ほとんど使われないサービスでした。

私もココナラに自分のサービスを出品しているので、需要があるものを作る大変さは良く理解しているつもりです。改めてペルソナとなる顧客がお金を払ってでも利用したいと思えるものを作るのは本当に大変なんだなと思い知らせれました。

私なんかは自由気ままに仕事をしていますが、企業の代表となると従業員の生活も背負っているし、相当なプレッシャーがあるはずです。大半は失敗して倒産してしまうスタートアップが多いと言われる中で、そのリスクを覚悟で挑戦する起業家の皆さんには尊敬しかないです。

 

5年間携わった中で、結構多くの方との出会いがあり、別れがありました。
「この会社で仕事をしていてもヒットするサービスは作れない」と早々に見切りをつけて離脱したメンバーも少なくなかったです。

正直に言うと、私も結構早い段階で同じような思いはありました。ここにいても多くの人に使ってもらえるサービスは作れないのではないかと。ただ、報酬は頂けているし、学べることもあるしで惰性的に続けてきてしまったところがありました。そこで割り切れれば問題はないのですが、やはり使われないサービスを開発し続けるというのは私にとっては割り切れない部分で、モチベーションの低下要因になっていました。

今思うと、早めに見切りをつけて離脱したメンバーの行動力はすごいなと感心させられます。

3つ目のサービスをリリースして、「これもほとんど使われないサービスになるな」と確信したタイミングで完全にモチベーションがなくなりました。当初からこの3つ目のサービスがダメだった場合はもう離脱しようと決めていたこともあり、モチベーションが下がった自分がここいるべきではないと考えていました。今年の7月頃から、他のメンバーにも迷惑がかかるし、適切なタイミングで離任を申し出ようとタイミングを見計らっていました。

そのような中で8月末に先方より契約内容の変更をお願いしたいというお話がありました。
その内容が私としてはとても飲めるような内容ではなかったため、こちらからお断りして9月末で離任する形になりました。
おそらく、先方は初めから私がこの条件は飲まないだろうと確信していたと思われます。

気持ちとしては、その分の収入が減ってしまうのは痛いという思いがありましたが、悩んでいたことからようやく解放されるという爽快感の方が強かったです。

長々と色々書きましたが、結局は全て自分の責任です。ここにいても需要あるサービスは作れない。自分はそうなるとモチベーションが低下する。そのことが分かっていたにも関わらず自ら離任して他の環境で仕事をするという行動をしなかったのですから。

最後にスタートアップの案件に参画する時によく注視すべきことを、私の経験からお伝えしておこうと思います。

・しっかりと顧客のニーズを把握してから本格的な開発をしているか?
→ 一部の人の意見だけ聞いてニーズがあると判断して作り込んだ場合は大抵失敗する

・代表者が幅広く色んな人の意見を聞く人か?
→ スタートアップは規模が小さい分、トップの考えが大きく反映されます。社員の意見はあまり聞き入れず、実績ある起業家などの権威ある人の意見のみ取り入れる人について行くのはかなりリスキーです。

・チームが一体となっているか?
→ サービスを作る時はサービスの内容やマネタイズについて検討するビジネス側と実際にサービスを開発する開発側でチームが分かれることが多いです。開発側はとにかくビジネス側の意図通りに作ってくれさえすればいいんだという考え方をしている。無理な納期を設定してくるなど、スタートアップらしからぬトップダウンによる開発を行っていて、会社として1つにまとまっていない環境は避けた方がいいです。少人数であることが多いスタートアップにおいて、チームワークが悪いというのは致命的な問題です。

・人の入れ替わりが激しくないか?
→ スタートアップに限らず、どこの会社でも同じですね。人の入れ替わりが激しいのは何かしらの問題を抱えていることが多いです。

・自分が身につけたいスキルが身につくか?
→ エンジニア視点から見ると、ここも拘りたいです。せっかくなので、他の環境でも活かせるスキルを身につけられる環境で仕事をしたいです。

 

こんなところでしょうか。他にあれば随時追記します。
スタートアップの場合はキャッシュフロー的に安定してしないのは仕方がないことだと思います。
ただ、チームワークがない、チーム一丸となっていない状態というのはかなり厳しい状況です。

しっかりと報酬さえ支払ってくれればそれでいいと割り切れるのであれば上記のようなことを気にしなくてもいいかもしれませんが、チーム一丸となってサービスを作りたい、多くの人に使ってもらえるサービスを作りたいという気持ちがあるのであれば、上記は参考になるのではと思います。

これからの私ですが、今回お話しした離任した案件は副業だったので、しばらくは本業の方に専念するつもりです。
また、少し時間に余裕ができたので、ヒーラーの仕事の方ももう少し改善して、もっと多くの方に利用して頂けるようにして行くつもりです。

長文となってしまいましたが、ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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