一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 【ぼっち整体院は大変です】Vol.46 初冬の不調には入浴が一番!【前編】

なんだか先週から急激に寒くないですか?

10月くらいに夏から一気に秋後半になったかと思ったら、11月に入って今度は一気に冬突入。

身体が持たないですよね~。

そんなわけで寒さが引き金で起こる不調、ぎっくり腰や首の寝違え、その他もろもろの問い合わせが増えております。

四季の明確な日本においては、春と秋に体調を崩す人が多いですね。

暑い夏や寒い冬はそれはそれで安定しているので意外と不調は起こりにくいものです。

対して寒さから暑さへ移行する春は身体が緩みますし、暑さから寒さへ移行する秋は身体が収縮するので、それに合わせて不調が起こりやすいです。

そんなわけでこの時期はぎっくり腰や寝違えに限らず、いろいろな不調が“冷え”から起こるのでその対策が必要なんですね。

冷え対策にはそのまま『冷えを防ぐ』という方法と、『直接温める』方法があり、一番手っ取り早い解消法は「お風呂に入って温まる」ことです。

「お風呂に入って温まる」なんて、何も難しいことがないように思えます。

ところが実際はいろいろ注意するべきことがあって、それを間違えるとあまり温まらないどころか、逆に身体を冷やす結果になったりします。

なので今回は改めて「お風呂に入って温まる」のに良い方法を説明します。

お風呂とシャワーの違い

「お風呂入ってますか?」「はい、毎日シャワー浴びてます!」「いえ、バスタブにお湯張って入ってますか?」「いえ、入ってません。シャワーはダメですか?」

ダメではないんですがシャワーよりもお風呂に入ったほうがメリットが圧倒的に多いんです。

1,洗浄効果

お風呂の目的の第一が身体の汚れを落とすことですね。

昔からあらゆるものを洗うのに水を使うのはそれが身近にあったからというだけでなく、水という物質自体に洗浄能力(物を溶かし込む力)が強いからです。最先端の半導体も水(純水)で洗いますからね。

確かにシャワーでも身体の汚れは落ちるのですが、お湯が身体の汚れを溶かし込む効果は肌に触れている量と時間に比例するので、肌の表面を一時的にお湯が流れるシャワーと肌が一定時間お湯に浸かるお風呂では効果が全然違うんですね。

さらにはお風呂に入って温まることで毛穴が開き、毛穴の奥の汚れまで落ちます。

実際お風呂に浸かっているだけでほとんどの汚れは溶かし出されます。乾燥肌で毎日お風呂に入る人はボディソープを使って洗うのは二日に一度にした方がいいくらいです。

また「新湯は年寄の毒」という言葉があります。これはヒートショックや湯温の高さなどもありますが、お湯がきれいすぎて洗浄効果が高すぎ、肌を傷めることが一つの理由なんです。年配の方や肌の弱い方は入浴剤を入れてお湯の洗浄効果を少し弱めるといいですね。

2,浮力による荷重軽減効果

お風呂に浸かることにより身体には浮力がかかり、その分体重による荷重が抜けます。

この効果は結構大きくて身体に掛かる自重は10分の一くらいまで減るんですね。体重60kgの人の体重が6kgになるわけですからすごいですよね。

それにより身体を支える支持組織(各部の関節や背骨など骨自体など)に掛かる重力が抜けます。重力が掛かった身体というのはギュッと絞ったスポンジの状態ですが、重力が抜けることで解放されて元の形に戻ります。その時に周辺の体液を吸収するので循環が起こり新陳代謝を促します。

この現象は睡眠中に身体を横たえる事でも起こります。寝ると身体の疲れが取れるのはただ休息しているだけでなくこういった作用による効果でもあるんですね。睡眠ほど長い時間ではないものの、全方向の荷重が抜けるのは入浴ならではの効果です。

3,水圧による圧迫効果

お風呂に入ると身体全体に押しのけた分の水の圧力がかかります。

心臓から動脈を通って全身に廻った血液は、静脈を通って心臓に戻ります。しかし動脈を流れる血液には心臓という強力なポンプがあるのですが、静脈の血はただそこに溜まっているだけなんです。

ただ、静脈は全身の大きな筋肉の近くを通っており、身体を動かすことで筋肉が伸び縮みするとその圧力に押されて血液を心臓に戻します。特に全身の血液の3割が溜まっている下半身は歩いて太ももやふくらはぎの筋肉を伸び縮みさせることで良好な循環を生んでいます。

なのでずっと座っている仕事や歩かず同じところで立っているような仕事の場合、重力と運動不足で下半身の血流のうっ滞が起こり、むくみや全身の血液不良を起こします。コロナでリモート勤務になった人は通勤での移動がなくなったのでなおさらですね。

そんな状態でもお風呂に入って身体の隅々にまんべんなく水圧が掛かることで血流を改善してくれます。いうなれば“全身着圧タイツ”ですね。

4,温熱効果

そしてお風呂の最大の目的は“あったまる~♨”ですね。

お風呂に入って温まると身体のすみずみの毛細血管が拡張し、全身の血流が促進します。血流により疲労物質である乳酸やその他の老廃物、二酸化酸素などは排出される一方、栄養分や酸素が供給され、疲労回復・健康促進の効果があります。

また同時に温熱効果によって筋肉の緊張が和らぎますので、凝りや張りからの痛みや不快感が解消されます。もちろん筋肉の緊張が緩むことで血流も改善します。

またこの温熱効果により身体の深部の体温は1℃ほど上昇しますが、入浴後に血管拡張した身体は熱を発散しやすい状態になり逆に深部体温は下がります。これは入眠のために必要な反応であるので、寝る1~2時間前の入浴は良い睡眠の助けになります。

そういった事情により、やはり毎日ではなくても週に何回かはシャワーだけでなくちゃんと湯船に浸かって欲しいんですね。

ちなみに遠赤外線効果や対流などの関係で電気給湯器<ガス湯沸かし器<薪で沸かす風呂<温泉の順で温熱効果が高くなります。

後編ではお風呂に入る上でちょっと注意すると入浴効果がグンと上がるポイントをお伝えしますね。ぜひご覧ください。

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京都府京都市出身。 立命館大学卒業後、エンジニアリングメーカーの営業職に9年間従事。 その後、横浜市関内のメディカルカイロプラクティックカレッジ横浜に入学。 卒業後、アルバイトで臨床経験を蓄積し、2015年10月に横浜市都筑区にて整体院『ヒーリングオフィスあすとらむ』を開業。

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