一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

#フリーランス4年目

みなさま、こんにちは!
フリーランスエンジニアとして活動しているハザマです。

エンジニアになってから幾年ほど経過しましたが、
今回はデータベースを構築する際の要件定義について、まとめてみました。

データベースの構築には、効果的かつ効率的なシステムを設計・実装するために、慎重な要件定義が不可欠です。
要件定義は、データベースシステムの基盤を形成し、プロジェクトの成功を左右する重要なステップです。

### 1. ビジネス要件の明確化

データベースシステムの設計を始める前に、ビジネス要件を明確に理解することが重要です。
ビジネス要件とは、データベースがサポートする業務プロセスや、達成すべき業務上の目標を指します。これには、以下の項目が含まれます。

業務プロセスの理解**: データベースがサポートする具体的な業務プロセスを詳細に把握します。例えば、顧客管理、在庫管理、売上管理などのプロセスです。
データベースの目的**: データベースの主な目的や期待される成果を明確にします。例えば、業務効率の向上、データの一貫性と正確性の確保、迅速な意思決定の支援などです。
利害関係者の特定**: データベースシステムに関与する全ての利害関係者(ユーザー、管理者、経営者など)を特定し、それぞれのニーズや要求を把握します。

### 2. データ要件の定義

データベースの主要な役割はデータの管理です。
そのため、どのようなデータを扱うのかを明確に定義する必要があります。具体的には、以下の項目を含みます。

データの種類と構造**: 収集、保存、管理するデータの種類(例えば、顧客データ、製品データ、取引データ)と、それぞれのデータ項目(フィールド)の詳細を定義します。
データの形式**: 各データ項目のデータ型(文字列、数値、日付など)やフォーマットを決定します。
データのボリューム**: 現在および将来的に扱うデータの量を予測し、データベースのスケーラビリティを考慮します。

### 3. 機能要件の特定

データベースシステムが提供するべき機能を明確にします。これには、以下の項目が含まれます。

データの追加、更新、削除**: 基本的なCRUD(Create, Read, Update, Delete)操作をどのように実現するかを定義します。
検索とクエリ**: ユーザーがどのようにデータを検索し、抽出するかを定義します。複雑なクエリや検索条件をサポートする必要がある場合、それを明確にします。
レポート生成**: データベースからレポートを生成するための機能や、必要なレポートの種類を定義します。
データのインポート/エクスポート**: 他のシステムとのデータのやり取りをサポートする機能を定義します。

### 4. 非機能要件の考慮

データベースシステムのパフォーマンスや信頼性、セキュリティなど、機能以外の要件を明確にします。
これには、以下の項目が含まれます。

パフォーマンス要件**: データベースの応答時間やスループット、同時接続数などの性能要件を定義します。特に、クエリの応答時間やバッチ処理の時間を具体的に設定します。
スケーラビリティ**: データやユーザーの増加に対応できるスケーラビリティ要件を定義します。これには、将来的なデータ増加やユーザー増加に対応するための拡張計画も含まれます。
可用性**: システムの稼働時間やダウンタイムの許容範囲を定義します。高可用性を求める場合、冗長構成やフェイルオーバー機能の要件を設定します。
セキュリティ要件**: データの機密性、完全性、可用性を確保するためのセキュリティ対策を定義します。具体的には、アクセス制御、認証、暗号化、ログ監査などの要件を設定します。
バックアップとリカバリ**: データのバックアップ戦略と、データ損失時のリカバリ手順を定義します。

### 5. 技術要件の設定

データベースシステムを実装するための技術的な要件を明確にします。
これには、以下の項目が含まれます。

データベース管理システム(DBMS)の選定**: 使用するDBMS(例えば、MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL Serverなど)を選定し、その選定理由を明確にします。
ハードウェア要件**: データベースサーバーのハードウェア構成(CPU、メモリ、ストレージ容量など)を定義します。
ソフトウェア要件**: データベースシステムを運用するために必要なソフトウェア(OS、ミドルウェア、バックアップツールなど)を定義します。
ネットワーク要件**: データベースシステムのネットワーク構成や帯域幅の要件を定義します。

### 6. 運用・保守要件

データベースシステムの運用と保守に関する要件を明確にします。
これには、以下の項目が含まれます。

運用プロセス**: データベースの運用手順や、日常的な運用タスク(データバックアップ、パフォーマンスモニタリング、ログ管理など)を定義します。
保守計画**: データベースのメンテナンススケジュールや、定期的なアップデート、パッチ適用の計画を設定します。
サポート体制**: トラブル発生時のサポート体制や、担当者の役割と責任を明確にします。

### 7. 法的・規制要件

データベースが遵守しなければならない法的・規制要件を明確にします。
これには、以下の項目が含まれます。

データ保護法規制**: データのプライバシー保護に関する法律や規制(例えば、GDPR、CCPAなど)を遵守するための要件を定義します。
業界規制**: 業界特有の規制や基準(例えば、医療業界のHIPAA、金融業界のPCI DSSなど)を考慮した要件を設定します。

いかがでしたでしょうか。
システムの成功を左右する非常に重要なプロセスです。
ビジネス要件、データ要件、機能要件、非機能要件、技術要件、運用・保守要件、そして法的・規制要件をしっかりと定義することで、
効果的かつ効率的なデータベースシステムを構築することが可能になります。
これにより、業務プロセスの改善、データの一貫性と正確性の確保、セキュリティの強化など、多くの利点を享受できるでしょう。

また次回も、よろしくお願いします!

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