一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

紛争が発生すると、食料、エネルギーの輸出国は自国民のために外国への禁輸を行い

輸入に頼っている国は危機に陥る。

ロシアウクライナ戦争ではウクライナの小麦の輸入に頼っていたアフリカ諸外国が、

イスラエルとパレスチナの戦争ではガザ地区の住民が飢餓に陥っている。

食料は外国から輸入すれば良いと考えて私も含め考えていた人も

食糧危機が日本で発生する可能性があると考える人は少なくないとおもう。

太平洋戦争 戦時中、戦後の日本でも食糧危機は発生した。

都会の人が食料を求め田舎の農家に物々交換に来たことは私も祖母から実体験を聞いている。

 

さて、再び食料を輸入に頼っている現在の日本でその食糧危機が発生したとき、

昔のようになんとか耐えることができるだろうか。

 

答えは否である。

これは会社員から農家に転身した私の肌感覚だ。

 

昔の農家と現在の農家の違いは年齢とスキルが違う。

年齢について

昔は農家の長男が農業を継ぎ、親や妻ともに家族で農業を行っていた。

年齢のバランスも親世代・子供世代とバランスが良かった。

現在は、農家の子供も儲からないからと農家にはならず。親世代のみが残り平均年齢も70代に近い。

 

スキルについて

昔の農家は米と野菜を作ることは普段の仕事で難なくできていた。

増産しようとすれば、やっている面積を増やせば増える。

現在は、農家として生計をたてるため、単価の高い作物に偏って生産している。

安い米・麦などは輸入や大規模にやっているところには太刀打ちできないため、

高収益な作物をできるだけ生産性を高く作っている。

私の家でも米を作っていたのは私が小さい時までで、それ以降は外部に委託して米を作ってもらっている。

今、強制的に米や麦、大豆を作れと言われても、農家の私でもやり方を知らない。

 

コロナ危機で医療関係者がエッセンシャルワーカーが大切と言われてきたが、

生き物が生きることに欠くことができない食料を生産する農業は構造的な様々問題があり、

産業としてそのうち消える運命にあると私は感じている。

 

食糧危機は生じたときその時、やっと日本人は気がつき、農業の変革が起こると思う。

The following two tabs change content below.

江俣 利治

最新記事 by 江俣 利治 (全て見る)

この記事をシェアする

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア