一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

ここ数ヶ月、補助金に関する記事が続いてしまったので、今回は銀行等からの借入(融資)に関する記事を書きたいと思います。

私自身としては、銀行で7年、商工会議所で5年勤務したこともあり、これまで多くの融資案件に携わってきました。

その中でも特にお金を借りたい、資金ニーズが強いと思われる「スタートアップ」や「小規模事業者」に焦点をあててご説明をさせていただきます。

初めての資金調達におススメしたい金融機関とは


早速ですが、スタートアップや小規模事業者に日本政策金融公庫での借り入れをおすすめいたします。

まず「日本政策金融公庫」とは、、主に中小企業や小規模事業者に向けて融資を行っている政府系金融機関です。

民間の金融機関に比べ、

1.創業初期でも融資の審査が通りやすい

2.無担保・無保証人でも融資を受けやすい

3.金利・費用負担が少ない

といったメリットがあります。

以降では、このメリットについて説明していきたいと思いますが、前提として、都市銀行や地方銀行、信用金庫などの民間金融機関と日本政策金融公庫の違いについて説明をさせていただきます。

民間の銀行と政府系金融機関は、同じ株式会社でありながら、融資に対するスタンスとしては大きな違いがあります。

 

まず日本政策金融公庫は株主が100%日本政府となります。

一方、通常の株式会社では、株主からお金を預かって、それを元手に会社として事業を行っています。

株式会社では、出資者に利益の一部を分配することが求められたり、株価が向上するようにしっかりと利益を積み重ねていくことが求められており、「できる限り利益計上したい」「できれば損失計上したくない」という想いがあります。

その反面日本政策金融公庫では、株主の100%が政府となりますので、利益追求よりも公共性の目線が高い金融機関となります。

 

また、日本政策金融公庫では預金業務を行っておりません。

そのため融資をするお金の原資は日本政府の財政投融資や国の一般会計等を原資にしています。

1.創業初期でも融資の審査が通りやすい


まず、民間の金融機関では、前述のとおり、「損をしたくない」という意識が働きます。

創業間もない企業や創業前は事業の実績がなく、計画を元に事業が成功するか、返済を行えるかを判断しなければなりません。

銀行では、ほぼ創業間もない企業や創業前の方に、銀行のみで融資をすることはありません。

信用保証協会による保証が付いた融資を検討されることが殆どとなります。

そのため段階として、①信用保証協会による保証の審査、②銀行による融資の審査と2段階での融資審査となります。

一方、日本政策金融公庫では、単独での審査を行います。このように借り入れまでのステップが少ないことことから、審査に要する期間も銀行の半分以下となります。

また、政府による後押しがあることで創業期や小規模事業者といった、銀行が敬遠する事業者であっても取り組みを検討してくれることから、事業性の評価に関するノウハウも高いため、事業計画を適正に判断してくれる可能性が高いです。

2.無担保・無保証人でも融資を受けやすい


いまでこそ代表者の連帯保証を取らない融資というのも増えつつありますが、以前の銀行融資では、代表者による連帯保証は必要不可欠でした。また、現在でも、信用保証協会による保証は必要なケースが殆どです。

この背景としては、融資しているお金の出所によるところが大きいです。

銀行では、皆さまから預かっている預金を原資として貸し付けを行っていますので、万が一にも貸したお金の返済が焦げ付くような事態は避けたいとの想いがあります。

そのため、事業の内容も重要ですが、貸したお金がちゃんと保全されているか(安全性)が非常に重要な判断基準となります。

当然、日本政策金融公庫も融資したお金が全く返済されなくても良いというわけではありません。

原資となるのは、日本政府のお金=国民の税金ですので、返済される可能性は重要ですが、スタンスは銀行とは異なります。

そのため最も重視されるのが、「その企業が返済する能力があるか」という“事業性”を重視した融資判断となります。

よって、担保や保証人よりもまずはしっかりとした事業内容で、無理のない返済計画を立てられるかが重要となります。

3.金利・費用負担が少ない


金利・費用負担が少ないと言っても、金利に関しては、近頃の金融緩和の影響もあり、近い水準まできていると思います。

しかしながら、大きく異なるのが「保証料」というものになります。

当然、銀行融資では、保証協会に保証をしてもらうにあたって、保証の対価=保証料を支払うこととなります。

一方、日本政策金融公庫では、単独での審査を行うため、保証料等の支払いは不要となります。

まとめ


上記のように当てはまらず、熱心な銀行担当者に巡り合うことができればより良い融資をお願いすることは可能かもしれません。

しかしながら、一般的には日本政策金融公庫の方が創業間もない方や小規模事業者の方には利用しやすいと言えます。

また、融資実行までの期間も短く、費用負担も少なくなる可能性があります。

 

是非、ご自身の事業や今後始めたいと思っている事業で融資を利用したいと考えられている方は、日本政策金融公庫での融資申し込みをご検討ください。

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【商工会議所の元経営指導員、企業経営アドバイザー】 "補助金・融資に強い”経営コンサルタントです! ご不明点、ご相談等ございましたらお気軽にご相談ください。

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