一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 「ネットワーク監視」について その3

<ネットワーク監視ツールを導入するメリット・デメリット>
ネットワーク監視ツールを導入すべき理由を解説しましたが、実際に導入することで、
どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

◆ネットワーク監視ツール導入のメリット
ネットワーク監視ツールの導入により、管理工数の面や障害復旧の面で以下のような
メリットが得られるでしょう。

◇24時間365日の常時監視
24時間365日の常時監視により、トラブル時にはその都度通知されるため、大規模な
障害を未然に防げる。

◇迅速な障害の原因究明
障害箇所が分析され詳細がレポートされるため、障害復旧にあたって素早い対応が
できる。

◇運用管理における工数削減
さまざまなネットワークを一元管理でき、ネットワーク運用の管理工数が大幅に
低減される。

◇監視項目の設定が簡単
ツールに内蔵されているテンプレートを使用すれば、監視項目の設定や確認なども
効率化できる。

 

◆ネットワーク監視ツール導入のデメリット
ネットワーク監視ツールの導入には、サーバの負担やコストの面でデメリットがあります。

◇サーバの負荷増
監視対象を増やしすぎると、サーバに負荷がかかり、ネットワークの遅延につながる
恐れがある。
ただし、サーバの追加やロードバランサ―でほかのサーバに負荷を分散することで、
サーバ遅延を防げる。

◇監視範囲が広がるとコストアップ
ネットワーク監視ツールは、対象機器の数や監視範囲によって導入コストが異なる。
事業規模の拡大にあたって、ライセンスや監視フォーマットなどの追加費用が発生
する場合もある。

 

<ネットワーク監視ツールの選び方>
さまざまな特徴をもつネットワーク監視ツールのなかから、自社に最適な製品を
選ぶためには、どのようなポイントを比較して検討したらよいのでしょうか。
比較すべき5つの項目を見てみましょう。

・監視項目
・テンプレートの種類
・アラートの通知方法
・分析機能
・エージェントレス式

◆監視項目
ツールごとに監視項目は異なるため、利用しているサーバを一元管理できるかどうかを
確認しましょう。
ネットワーク機器やアプリケーションのほか、仮想環境やコンテナなども監視したい
場合は、それらも監視対象のネットワーク監視ツールを選びましょう。

 

◆テンプレートの種類
ネットワーク監視ツールの導入時には、機器ごとにエージェントをインストールする
などの設定が必要です。
監視対象のネットワーク機器が多いほど設定に時間がかかり、担当者の業務負担は
少なくありません。
テンプレートが標準搭載されていれば、導入時の設定工数を大幅に削減できます。
テンプレートの有無だけでなく、自社が監視したい機器にテンプレートが付属して
いるかも確認しましょう。

 

◆アラートの通知方法
ネットワークの異変を検出して管理者へ通知するアラート機能には、音声・メール
送信・SNMP TRAP・回転灯など複数の通知方法があります。

それらを組み合わせてカスタマイズできる製品や、危険度にあわせて、アラートの
レベルを数段階に分けて設定できる製品など、ツールごとにさまざまな特徴をもちます。

管理者にとって、アラートの受信は極めて重要な業務です。
担当者の勤務状況にあわせて通知方法を検討しましょう。

 

◆分析機能
システムが安定稼働しているかを把握・監視するだけでなく、サーバの使用率は
上昇傾向なのか下降傾向なのかといった状況を分析し、レポートで報告してくれる
機能があります。

監視対象のサーバやシステムの状況を詳しく把握できれば、サーバのリソース配分
や機器のリプレースなどを検討する判断材料になるでしょう。
ネットワーク監視の改善につなげられます。

 

◆エージェントレス式
エージェントレス監視の有無も確認しましょう。
エージェントのインストールが不要なエージェントレス式は、導入時にシステムを
停止する必要がなく、監視対象ごとのライセンス費用も発生しないなど、多くの
メリットがあります。

今後、ネットワークを拡大する可能性が高く、導入費用を抑えたい場合は、
エージェントレス式のネットワーク監視ツールがおすすめです。

 

<ネットワーク監視を利用して障害を防ごう>
IoT時代と呼ばれる現代において、インターネットの重要性は年々高まるとともに、
ネットワーク障害を起こさない対策は必要不可欠です。

安定稼働を続け、万が一トラブルが生じても被害を小さくするために、ネットワーク
監視ツールの利用を検討してみましょう。

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久米 大輔

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