先日公開した記事にて自由意志論争に対する立場は大きく分けて三つあると述べました。
これらの立場について理解しやすくするため、本記事では各立場の概要とそれらの対立軸を述べます。
前回記事ではリバタリアン(哲学的リバタリアン)と呼んでいた立場です。
自由意志と因果的決定論は矛盾するとしつつ、自由意志は存在すると主張しています。
前回記事ではハード決定論と呼んでいた立場です。
自由意志と因果的決定論は矛盾し、自由意志は存在しないと主張しています。
因果的決定論とは、全ての現象は過去の現象と物理法則のみによって決定されるとする考え方です。
自由意志と因果的決定論は矛盾しないと主張している立場です。
自由意志論争では、主要な対立軸が二つあります。
両立論と他二つの立場との対立と、自由意志肯定派と否定派との対立です。
両立論と他二つの立場は、自由意志をどう定義すべきかで争っています。
両立論では、個人が自分の行動を欲求に従って決定できるとき、その個人は自由であるとしています。
一方他二つでは、個人が自分の行動を自分のみを原因に決定できるとき、その個人は自由であるとしています。
両立場とも自由意志と因果的決定論は矛盾するとしています。
そのうえで、因果的決定論を乗り越えるような自由意志が存在しえるか否かで争っています。