なぜソフトウェア開発を海外にオフショアする企業が増えているのか？

ソフトウェア開発のアウトソーシングが人気を集めている。2027年までに、世界市場は9,376億7,000万ドルの収益を生み出す可能性がある。このような利点から、企業は開発ソリューションを求め続けている：

• 費用対効果： オフショア先では、一般的に先進国に比べて人件費が安い。そのため、オフショアソフトウェア開発の主な動機の1つはコスト削減です。

• 人材へのアクセス： オフショアソフトウェア開発では、熟練した専門家からなるグローバルな人材プールへのアクセスが可能です。この方法を選択すれば、自国ではなかなか得られないような専門的な知識や技術スキルを活用することができます。

• リスク削減： グローバルなソフトウェア開発拠点と提携することで、その効果的な方法論と品質管理手段を活用することができます。したがって、パートナーはリスクを軽減し、プロジェクト管理を改善することができます。

ソフトウェア開発をアウトソーシングするのに最適な国ベスト10

ソフトウェア開発をアウトソーシングするのに最適な国は？ロバイダーに連絡する前に、それぞれの長所と短所をよく確認してください。

※１米国ドル＝156円

1. ベトナム
単価：20～40ドル
ベトナムのオフショアソフトウェア開発会社には様々な長所と短所があります。

メリット:

• 手頃な人件費： ベトナムのオフショアソフトウェア開発料金は、通常1時間あたり20ドルから40ドルで、他の多くの国に比べて、より手頃な価格で熟練したソフトウェア開発サービスを利用することができます。

• 豊富な熟練ITプロフェッショナル： ベトナムには熟練したITプロフェッショナルが豊富にいる。2021年、ベトナムは情報技術を専攻する約55,000人の卒業生を輩出し、ソフトウェア開発業界への安定した人材供給に貢献している。

• 支援的な政府と教育： 教育への投資と政府からの支援により、ベトナムのオフショアソフトウェア開発プロジェクトは友好的な雰囲気に包まれている。STEM教育に重点を置いた国家戦略により、特に人工知能や機械学習のような最先端分野では、熟練した技術者の労働力につながっています。

• 有利な投資環境： ベトナム政府は、IT分野への外国投資を誘致するための支援政策を提供しています。これには税制優遇措置やインフラ整備が含まれ、オフショアソフトウェア開発企業にとって魅力的な環境が整っています。

• IT産業の著しい成長 ベトナムのIT産業は近年著しい成長を遂げている。2020年には業界の収益が約732万ドルに達することから、同国はソフトウェア開発の能力を示している。

デメリット：

• 言語と時差（欧米からの観点）： 言葉の壁や時差が大きいため、ベトナムの開発企業との関わりは難しいかもしれません。効果的なコミュニケーションと調整には慎重な配慮が必要かもしれません。

結論として、ベトナム企業は、手頃な人件費、熟練したITプロフェッショナルの豊富さ、政府の支援政策、産業の大幅な成長など、魅力的なメリットを提供しています。しかし、ソフトウェア開発をベトナムにアウトソーシングする際には、言語や時差から生じる潜在的な問題に留意する必要があります。

2. オーストラリア 

単価：60～100ドル

メリット：

• オーストラリアはハイテク産業が成長している。

• 言葉の壁はない。

• 高品質な基準により、十分にテストされたソフトウェア・ソリューションが保証される。

デメリット：

その国の人件費や運営費がコスト増の一因になることもある。

ソフトウェア開発をどこにアウトソーシングするかという問題に対するもうひとつの答えは、オーストラリアだ。この国は、さまざまな分野で技術の進歩とデジタルトランスフォーメーションに大きな進歩を遂げている。

ITソーシングは、ITサービスにおいて国内最大の市場である。2023年の市場規模は120億7,000万ドルに達すると予想されている。

オーストラリアは、ソフトウェア開発における高品質基準でも知られている。同産業は厳格な品質保証プロセスに従い、信頼性の高いソフトウェア・ソリューションを実現している。

さらに、オーストラリアでは主に英語が話されている。そのため、オフショアでの共同作業のためのコミュニケーションはシームレスに行われる。

最後になりましたが、オーストラリアにはソフトウェア開発において高いスキルを持つ労働力があります。オーストラリアは、ソフトウェア開発のアウトソーシングに最適な国のひとつです。

残念ながら、他のオフショアソフトウェア開発会社と比較すると、オーストラリアでのコストは比較的高いかもしれません。

3. シンガポール 

単価：25～55ドル

メリット: 

• シンガポールはアジア太平洋地域をリードするフィンテック・ハブである。

• 発達した技術インフラは、ソフトウェア開発プロジェクトに信頼できる環境を提供する。

• シンガポールの英語力は大きなアメリットとなる。

デメリット:

• シンガポールでのオフショアソフトウェア開発は、他のいくつかの国よりもコストが高くなる可能性があります。

シンガポールには高度に発達した技術インフラがあります。堅牢なインターネット接続と高度なデータセンターが印象的です。 

シンガポールはフィンテックの盛んなハブであり、1,400社を超えるフィンテック企業と50以上のイノベーション・ラボがあります。2021年には、この分野に39億ドルが投資されました。この国はまた、アジア太平洋地域をリードするフィンテック・ハブとしての地位を確立している。

さらに、シンガポールの教育制度はSTEM科目を重視している。そのため、最新の技術スキルを備えた人材を輩出することができる。

さらに、英語はシンガポールの公用語のひとつです。高い英語力は、オフショアソフトウェア開発やその他のビジネス活動において、いくつかのメリットをもたらします。

しかし、オーストラリアと同様、シンガポールは物価が高いことで知られています。そのため、シンガポールでのソフトウェア開発には、より高額な財政投資が必要となる可能性があります。

 

4. スイス

単価: 100ドル

メリット: 

• スイスのデベロッパーはそのプロフェッショナリズムで有名である。

• スイスはさまざまな分野で卓越した技術に定評がある。

• この国は研究開発に力を注いでいる。

デメリット:

生活費が高いため、金融投資額が高くなる可能性がある。

スイスは卓越した技術で定評があります。特 定のソフトウェア開 発における広範な専門知識は、貴社のビジネスに高度なテクノロジー・ソリューショ ンを提供します。

スイスは研究開発に力を入れていることで人気がある。この国は研究開発に多額の投資を行っており、その額はGDPの3％を超えている。2019年には約255億ドルに達した。

さらに、スイスは教育水準の高い労働力を誇っている。スイスのプロフェッショナルたちは、その質の高い仕事でも高い評価を得ている。

整備されたデジタル・インフラも、スイスのオフショア・ソフトウェア開発企業と提携するメリットのひとつです。具体的には、高速インターネット接続と最先端のネットワークが、デジタルトランスフォーメーションのための強力な基盤を提供しています。

しかし、物価が高いというデメリットもあります。スイスでのオフショアソフトウェア開発には、他地域よりもかなり高額な財政投資が必要になる場合があります。

 

5. 米国

単価: 40〜70ドル

メリット: 

• 米国には強いイノベーション文化がある。

• 様々な専門知識を持つ経験豊富な技術専門家にアクセスすることができます。

• 米国は、世界最大かつ最も影響力のあるテクノロジー市場のひとつである。

デメリット:

• 米国でのオフショアソフトウェア開発は、他の国に比べてコストが高くつくことがあります。 

米国は技術開発の世界的リーダーである。アップル、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなど、世界をリードするテクノロジー企業の多くがこの国に拠点を置いている。

2020年、米国のハイテク産業では約520万人が働いていた。この分野で最大の職業は、ソフトウェア開発者とソフトウェア品質保証である。技術専門職の人材が豊富なため、企業はさまざまな技術の専門知識を持つ人材にアクセスすることができる。

その上、米国は世界最大かつ最も影響力のあるテクノロジー市場のひとつでもある。米国でのオフショアソフトウェア開発により、企業はこの巨大市場に参入し、顧客基盤を拡大することができます。

残念なことに、米国では賃金や生活費が高いため、プロジェクト・コストが増加します。長期的な契約を目指す場合、事態はさらに複雑になります。

 

6. フィリピン

単価: 25～50ドル

メリット: 

• フィリピンはIT市場で強固な基盤を持っている。

• 熟練した労働力とITインフラは、プロフェッショナルの確実な供給を可能にする。

• フィリピンのオフショア開発単価は一般的に低い。

デメリット:

• フィリピンにおけるアウトソーシングの需要が高まるにつれ、ソフトウェア開発企業や専門家の間の競争も激化している。

フィリピンはIT市場、特にBPO産業において強固な基盤を確立しています。国内で開発されるアプリの数が増加しているため、オフショアソフトウェア開発プロジェクトで利用できる専門知識と経験が豊富です。

さらにフィリピンは、DevOps、AI、ロボット工学、サイバーセキュリティなどの新興分野で多くのアウトソーシング・プロジェクトを実施してきた。そのため、現在では最高のアウトソーシング国のひとつとなっている。

さらに、フィリピン人開発者とクライアントがシームレスにコミュニケーションを取るには、英語力を含む米国との文化的互換性が有利に働く。若くて優秀なソフトウェア・スペシャリストが多いこともプラスだ。

そして何より、オフショア開発単価が安いことです。したがって、費用対効果の高いソリューションを見つけることができます。

 

7. インド

単価: 25～50ドル

メリット: 

• インドでは、ソフトウェア開発サービスのための手頃な価格の単価を提供しています。

• 熟練したソフトウェア開発者を安定的に供給することができます。

• 世界第2位の英語圏であるインドは、クライアントとのコミュニケーションやコラボレーションを円滑にする。

デメリット:

価格だけではプロジェクトの品質は保証されません。

インドはカスタムソフトウェア開発サービスにおいて競争力のある 単価を提供しています。したがって、この国はアウトソーシングのための費用対効果の高い選択肢となります。

とはいえ、安いからといって品質が良いとは限りません。ですから、インドのオフショア開発チームを雇う前に、十分なリサーチを行うことが重要です。

英語の能力は、もうひとつの特筆すべき強みをもたらします。インドは世界第2位の英語圏です。したがって、英語圏の顧客とのコミュニケーションは容易です。

14億人以上の人口を抱えるインドは、大規模なソフトウェア開発プロジェクトに必要なリソースとスケーラビリティを提供できる。その中には、7,800万人のSTEM卒業生と、多様な専門知識を提供する膨大な数のIT専門家がいます。

また、インドは教育への投資を優先し、次世代の学生を育成しています。また、毎年最も多くの卒業生を輩出している国でもあります。

 

8. 中国 

単価: 50〜80ドル

メリット: 

• 中国には費用対効果の高い労働力がある。

• 中国のソフトウェア開発者は生産性が高く、効率的だ。

• 中国政府はIT産業の発展に力を入れている。

デメリット:

• 中国でのオフショアソフトウェア開発は、その先進的な経済のため、大陸の他の国よりも価格が高くなる可能性がある。

中国は量子コンピューティングやAIのような重要な新興技術で米国と直接競合している。しかし、費用対効果の高い労働力により、オフショアソフトウェア開発の面では米国を上回っている。

さらに、中国のソフトウェア開発者は高い生産性と効率性で知られている。彼らは最先端の技術に取り組むため、さまざまなプログラミング言語に長けている。このような専門家のおかげで、中国はソフトウェア開発をアウトソーシングするのに最適な国のリストに挙げられているのです。

それだけでなく、中国政府はIT部門の成長を優先している。さまざまな政策や経済的インセンティブが、開発とイノベーションを促進しているのだ。

しかし、中国の1時間あたりのサービスコストは、アジアのいくつかの国に比べて高いことが多い。この高さは、中国の先進的な経済と堅実な技術教育システムに起因している。

 

9. ハンガリー 

単価: 55～70ドル

メリット: 

• ハンガリーのソフトウェア開発産業は台頭しており、大手ハイテク企業との提携を誘致している。

• 同国には熟練したソフトウェア開発者が多く、IT分野の卒業生も安定している。

• ハンガリーのソフトウェア開発会社は、その信頼性と専門知識で認められています。

デメリット:

• 利用できるITハブは限られている。

ハンガリーは、オフショアソフトウェア開発の分野で広く認知されていないにもかかわらず、オフショアソフトウェア開発のための有利な目的地として徐々に浮上しています。最近の調査によると、ハンガリーはソフトウェア開発をアウトソーシングするのに最適な国のひとつになる可能性を秘めています。

ハンガリーはITスペシャリストを育成しようとしている。この開発は、ノキア、HP、マイクロソフトのようなハイテク大手を惹きつけている。これらの企業は地元のIT企業と提携し、多くの研究開発センターをハンガリーに設立している。

さらに、ハンガリーには約8万人の熟練したソフトウェア開発者がいる。彼らは一般的なプログラミング言語に精通している。

また、ハンガリーのソフトウェア開発企業は、カスタム・ソフトウェア開発のニーズに対する高品質のソリューションで高い評価を得ています。彼らの専門知識は、アウトソーシング・プロジェクトの信頼できる選択肢となっています。

しかし、ITハブの数は限られています。選択肢の少なさが、ITスペシャリストの首都への移動を生み出している。

 

10. ポーランド 

単価: 35～55ドル

メリット: 

• ポーランドには優秀なソフトウェア開発者がたくさんいます。

• 同国は教育や訓練に力を入れている。 

• ポーランドは、他の西欧諸国と比べて費用対効果の高い選択肢を提供している。

デメリット:

• 高い生活水準と技術教育は、オフショアソフトウェア開発サービスのコストを増加させる。  

ポーランドは多様なソフトウェア開発サービスを提供しています。そのため、お客様は一つ屋根の下で包括的なソリューションを見つけることができます。

ポーランドの強みのひとつは、ソフトウェア開発のスペシャリストが豊富にいることです。ポーランドは、3番目に熟練したプログラマーがいる国として知られています。彼らはJavaのようなプログラミング言語を得意としており、Javaの評価では世界第1位となっています。

ポーランドのプログラマーのスキルは、同国が技術教育と訓練に力を入れていることを物語っています。ポーランドは、学校や大学でコンピュータ・サイエンスやプログラミングを教えることを非常に重視しています。

残念ながら、高い生活水準と技術教育は、ソフトウェアのアウトソーシング・コストを引き上げる可能性があります。しかし、それでも他の西ヨーロッパ諸国よりは費用対効果が高いと言えます。

次回からは

１・アウトソーシングする国をどう選ぶか？

２・なぜ日本が１０位に入ってないのか？他国から日本の評価？

３・この上位10カ国のうち、日本にとって最良の選択肢はどれだろうか？