一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

自分で事業を始めようと思ったときには、自分でお金を貯める以外に、買い入れを検討される方が多いと思います。前回の記事では、初めての融資利用にあたっては「日本政策金融公庫」の利用がおおすすめとご紹介いたしました。では、日本政策金融公庫で、初めてお金を借りるためにはどのような準備をすればよろしいのでしょうか?

 

当記事では、日本政策金融公庫で借り入れを受けるための流れを解説させていただきます。なかでも本当の創業期に該当する個人のかたに向けて、申し込み~入金までにどのような手順が必要で、入金までにかかる時間や返済開始時期についてもご紹介させていただきますので、日本政策金融公庫から融資を受けたい人はぜひ参考にしてみてください。

日本政策金融公庫で初めて創業融資を借りる流れ


日本政策金融公庫から融資を受けるためには、借り入れの申し込みや必要書類の提出、融資の契約手続きなどさまざまな手順が必要となります。

【日本政策金融公庫でお金を借りる流れ】

①申し込みに必要な書類を準備する

②申し込みをする

③面談に必要な書類を準備する

④担当者と面談する

⑤審査結果が通知される

⑥契約手続きを行う→入金

以上のような手続き・流れが必要となりますので、開業の準備と合わせて準備していきましょう!それでは早速「①申し込みに必要な書類を準備する」の手順からをご説明させていただきます。

①申し込みに必要な書類を準備する


日本政策金融公庫で融資を申し込むにあたって、必要な書類は日本政策金融公庫のホームページで調べることができます。

【ご提出書類(インターネット申し込み用)】

上記の中から、個人でこれから事業を始める方で必要な書類を抜粋させていただくと下記の通りです。

 

・運転免許証等の本人確認書類(顔写真付きのもの)

・創業計画書

・設備資金がある場合は、その見積書

 

運転免許証や見積書はすぐに準備できるという方がほとんどだと思いますが、創業計画書はご自身での作成が必要となる書類で、すぐに準備できるというものではなく、非常に手間に感じる人も多いと思います。

 

ただし、日本政策金融公庫で融資を利用するにあたっては、非常に重要な書類です。

通常、事業を営んでいる方は、事業の実績(売り上げや利益のデータ)があるため、そのデータが重視される傾向がありますが、これから創業する予定の人には具体的な実績がないため、資金計画や創業後の収支予測や売上、原価、経費が重視される傾向があります。その予測を表現していくものが「創業計画書」となります。

②申し込みをする


日本政策金融公庫では、2020年にインターネット申し込みが可能となりました。しかし、申し込み後に、申し込み時に必要な資料を郵送する必要がありました。2021年には、書類のアップロード機能が拡充され、インターネット上で申し込み手続きが完結できるようになりました。

これにより、24時間365日申し込みができるようになり、従来の窓口や郵送での申し込み比べてスムーズに手続きを進められるようになりました。創業準備期で忙しい人にとっては、予約の電話や訪問のための日程調整の手間が減ることとなり、便利になりましたので、ぜひインターネット申し込みをご利用いただけたらと思います。

それでは、具体的にインターネット申し込みの方法について説明させていただきます。

・必要な環境を整備しましょう

インターネット申し込みにあたっては、「@jfc.go.jp」からのメールが受信できるメールアドレス、利用できるブラウザを準備しましょう。ちなみにスマートフォンからの申し込みも可能で、スマホやタブッレットからの申し込みの場合は「Safari(サファリ)」や「Google Chrome(グーグルクローム)」、PCからの申し込みの場合は、「Google Chrome(グーグルクローム)」や「Microsoft Edge(マイクロソフト エッジ)」などから申し込むことが可能です。

 

・必要な書類を電子データにしましょう

インターネット申込には「申込フォームの入力」「必要書類の提出(アップロード)」が必要です。事前に、作成した創業計画書や運転免許証などの必要書類を電子データにしましょう。PDFファイル形式が望ましいので、PCでPDFかしていただくか、スキャナーがない方はコンビニのプリンターやスマートホンアプリ等をご活用して、必要な書類を電子データにしてみてください。

 

・マニュアルを見て、フォームから申し込む

インターネット申し込みにあたっては、日本政策金融公庫では、その手順をマニュアルや動画で説明してくれています。コチラをご確認いただき、下記のフォームからお申込み下さい。

申し込みフォーム→https://www.m.jfc.go.jp/sysped/ped010

 

③面談に必要な書類を準備する


次に面談に必要な書類等をご準備ください。こちらについては、「②申し込みをする」の後に、日本政策金融公庫の担当の方から連絡があります。担当の方からは、次のステップとなる面談の日程調整とその際に持参してほしい書類の案内を受けます。これらの資料は、創業計画書を確認し、事業者ごとに必要となる書類をご案内してくれます。

ここでは依頼されることの多い代表的な書類をご紹介させていただきます。

 

中でも特にご注意いただきたいのが「③自己資金が確認できる通帳」となります。自己資金としたお金が入っていることだけではなく、どのように準備したお金なのか説明できる必要があります。

よくある例としては、株や投資信託を解約したお金、保険の解約金・満期金だと思います。例えば、親族名からの借り入れや保険会社の契約者貸付金など、返済が必要なものは自己資金として認められませんので、ご注意ください。

また、毎月5万円をコツコツ貯めてきた場合などは、その様子が感じられる取引履歴を用意するといいでしょう。

④担当者と面談する


日本政策金融公庫から融資を受けるためには、担当者との面談が必要となります。

面談は提出書類の内容を確認しながらおこなうため、書類に記載した内容を口頭でも説明できるように準備する必要があります。

たとえば、創業計画書に記入した代表者の経歴や、資金計画・収支計画の根拠などの説明を重点的に聞かれる可能性が高いです。

 

ただし、皆さまにここでご注意いただきたいことは「日本政策金融公庫の担当者は『敵』ではなく、『味方』である」という事です。よく面談前に、「どのようなことをきかれるのか」「言ってはいけないことがあるのではないだろうか」と心配される方が多くいらっしゃいますが、面談には構えてのぞむよりも、「聞かれたことに正直に、素直に答える」ことを意識されるといいと思います。

 

日本政策金融公庫の担当の方は、親切な方が多いので、問題を抱えている点について正直にお話すれば、どうすれば審査をすすめられそうかアドバイスをしてくれると思います。むしろ、担当者の方は審査のプロですので、どんなにごまかしても、嘘を見抜く実力をお持ちです。仮に、嘘やごまかしによって信頼を失うと、融資自体の取り組みがNGとなる可能性が高くなります。

⑤審査結果が通知される


日本政策金融公庫の審査に通過した人には、日本政策金融公庫の担当者から電話による連絡が来たあと、「ご融資のお知らせ」という書類に借用証書が同封されて郵送されてきます。その借用証書には、契約書類の必要書類の他に、借り入れ期間する条件(金額や期間、必要資料など)も記載されています。

 

なお、日本政策金融公庫の審査結果は審査に通過した人だけでなく落ちた人にも連絡が来るので、日本政策金融公庫の融資に申し込んだ人は担当者からの連絡を待ちましょう。

⑥契約手続きを行う→入金


日本政策金融公庫の契約手続きは原則郵送で行います。上記の通り、担当者から電話連絡があると同時に契約事務センターから借用証書が発送されます。契約証書は日本政策金融公庫との契約を結ぶ上で必要になるため、郵送到着後は、貸主の氏名や入金先の口座情報などを記入し、日本政策金融公庫の担当者へ返送します。

これらに間違いなく記入し、必要な書類を不備なく添付できれば、書類が日本政策金融公庫に到着して3~4営業日後に入金されます。

 

まとめ


以上の通り、日本政策金融公庫で借り入れを受けるための流れを説明させていただきました。

一番多くの方がつまづくポイントが「創業計画書」の作成となります。申し込み時という早い段階で必要になるにも関わらず、震災において最も重視される書類となります。

作成にあたっては、日本政策金融公庫の窓口や最寄りの商工会議所で相談することもできます。また、創業準備で忙しい方は、専門家に相談することも有効だと思います。

もし、こちらの記事をご覧になられて、専門家に相談してみようと思った方はお気軽に当事務所へご連絡ください。

初回のご相談を無料でご対応させていただきます。

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【商工会議所の元経営指導員、企業経営アドバイザー】 "補助金・融資に強い”経営コンサルタントです! ご不明点、ご相談等ございましたらお気軽にご相談ください。

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