PMIという指数をご存知でしょうか。
PMIとは「Purchasing Manager’s Index」の頭文字をとったもので、日本語では「購買担当者景気指数」と呼ばれています。
購買担当者に、生産や新規受注、受注残、雇用、価格、購買数量などをアンケート調査を行い、景況感を指数化したものです。
中でも製造業の購買担当者は、製品の需要動向や取引先の動向などを見極めて仕入れを行うため、製造業PMIは今後の景気動向を占う先行指標とされており、国内総生産(GDP)と強い相関関係にあります。
現在は世界の多くの国や地域で調査・公表されており、発表時期がGDPなどの経済指標より早いため、注目されています。
50が分岐点で、50を超えると景気拡大、50を下回ると景気後退を示唆します。
あまり国内では騒がれませんでしたが、4月23日に発表された日本のPMIは海外では大きく取り上げられていました。
4月における日本の製造業PMIは37.8。
リーマンショック時の38.0以来の数値です。
またサービスPMIは22.8という極端な下落となりました。
サービスPMIは、リーマンショック後から発表されるようになった指数なので、明確な比較対象はありませんが、異常値であることは分かると思います。
もちろん、PMIの数値が異常値を示しているのは日本だけではありません。
米製造業PMI(3月)は、2009年8月以来の低水準となりました。
コロナ被害が特に大きいユーロ圏の総合PMIは過去最低を更新しました。
3月は29.7とその段階でも酷い数字でしたが、4月のPMI速報値はなんと13.5であり、予想を大幅に下回りました。
ただ、中国については2月に製造業PMIが過去最低となる35.7を記録しましたが、コロナ収束の動きがあったためか、3月は52.0と急回復しました。
我が国の2020年1-3月期GDPの1次速報は、2020年5月18日(月)ということで、発表まで1ヶ月近く先ですが、今回発表されたPMIを見る限り、年率で10%-15%程度のマイナスとなるのではないかと思います。
某大手外資系金融機関は、日本のGDPを25%のマイナスと予想していますが、決して有り得ない話ではないと思います。
2019年10-12月期のGDPは年率7.1%のマイナスであり、既に消費税増税で日本経済はボロボロとなっていたところに、今回のコロナショックですから、日本経済はまさに底無し沼に嵌まり込んだ状態です。
一方で日経平均株価は、3月19日に16,358.19円をつけましたが、現在は3,000円近く反発しています。
世界中の異常な金融緩和により持ち堪えていますが、私はどこかでもう一度日経平均株価は大きく下落する局面があると考えています。
ただ、そうした下落は冷静に対処できれば大きなチャンスになり得るということもまた事実だと思います。