mountはディスク装置をLinuxのディレクトリ内に埋め込み、使えるようにするマウントという作業をする。
または管理するコマンド。
ディスク装置はCD・DVD・ブルーレイディスク、外付けハードディスク、USBメモリなど多岐に渡る。
ディスク装置は、Linuxではファイルシステムと呼ばれる。
それらすべてはmountコマンドで利用できるよう設定することができる。
Linuxシステムの中でも重要なコマンドに位置づけされている。
■mountコマンドの基本
コマンドの基本動作
現在のマウント状況を確認する方法は、次のとおり。
$ mount
現在のマウント状況が表示される。
デバイス、マウントポイントと呼ばれるマウントがどこにされているかの情報、
ファイルシステムのタイプ、その他にも読み書き可能かなどが表示されている。
mountは自動で行われることが多い。
例えば、USBメモリをコンピュータにセットした時点で認識し、適切な場所へとマウントする。
では、USBメモリをコンピュータにセットし、再度mountコマンドを実行してみよう。
$ mount
/dev/sdb1というデバイスが、マウントポイント/media/xx1にvfatというファイルシステムのタイプで
読み書き可能でマウントされている設定が追加されていることがわかる。
このように、自動認識し、GUI環境であればファイルマネージャーなどで仕組みを意識せずとも
利用できるようになる。
しかし、自分自身が使いやすいマウントポイントに設定したいこともあるだろう。
その場合はmountコマンドを使って適宜マウントを行う
■mountコマンドのオプションたち
◇コマンドの一覧
・オプション -a
設定されているファイルシステムすべてをマウントする
・オプション -t
ファイルシステムのタイプを指定する
・オプション -r
読み出し専用でマウントする
・オプション -w
読み書き可能でマウントする
◇-aオプション:設定されているファイルシステムすべてをマウントする
Linuxに標準でマウントされるデバイスは、/etc/fstabの中で設定されており、ここで設定されている
すべてを一括でマウントしたい場合は、-aオプションを利用する。
書式は次のとおり。
$ mount -a
◇-tオプション:ファイルシステムのタイプを指定する
ファイルシステムのタイプは数多く存在し、それぞれ最大容量や1ファイルの最小ファイルサイズ、
セキュリティレベルが違う。
ファイルシステムのタイプを指定する書式は次のとおり。
$ mount -t タイプ デバイス マウント先ディレクトリ
この書式がmountコマンドの標準的な書式となる。
マウント先ディレクトリは、ディレクトリとしてあらかじめmkdirコマンドなどで作成しておく。
デバイス/dev/cdromをマウントポイント/media/cdにマウントするコマンドは、次の通り。
$ mount -t iso9660 /dev/cdrom /media/cd
上記コマンド実行後に、mountコマンドでマウント状況を確認したところ、デバイス/dev/cdromをマウントポイント/media/cdにファイルシステムタイプiso9660でマウントされている。
ここで、代表的なファイルシステムのタイプを解説する。
・ext4
Linuxのファイルシステム
・ext2,ext3
少し前のLinuxのファイルシステム
・msdos
MS-DOSのファイルシステム
・vfat
FATのファイルシステム
・iso9660
CD-ROMなどの光学ディスク全般
・nfs
ネットワークファイルシステム
◇-rオプション:読み出し専用でマウントする
-rオプションは読み出し専用でマウントするオプションで書式は次の通り。
$ mount -r -t タイプ デバイス マウント先ディレクトリ
デバイス/dev/cdromをマウントポイント/media/cdに読み取り専用でマウントするコマンドは、次の通り。
$ mount -r -t iso9660 /dev/cdrom /media/cd
◇-wオプション:読み書き可能でマウントする
-wオプションは読み書き可能でマウントするオプションで書式は次の通り。
$ mount -w -t タイプ デバイス マウント先ディレクトリ
デバイス/dev/cdromをマウントポイント/media/cdに読み書き可能でマウントするコマンドは、次の通り。
$ mount -w -t iso9660 /dev/cdrom /media/cd
◇関連コマンド
・umountコマンド
マウントを解除する。