個人事業者が年間を通して赤字を出してしまった場合、税務上申告すべき所得額はゼロとなります。当然、税額は発生しませんので、原則としては確定申告をする必要はありません。
しかし、たとえ赤字であっても確定申告を出した方が良い理由があります。それが、損益通算というものです。これは、赤字分を翌年から3年間繰り越せるという制度で、赤字分を翌年以降の黒字から相殺できることになります。たとえば、100万円の赤字があり、翌年の所得が500万円であれば損益通算で所得を400万円にできるわけです。このように、実質的に節税対策となる制度ですので赤字申告はしておくべきなのです。ここでの注意点は、損益通算ができる個人事業者は青色申告をしている人だけという条件があることです。